CBD×サウナで整う?利用する際のメリットやポイントを薬剤師が解説

ウェルネス業界において、近年注目を集めている「CBD」と、ビジネスマンや若者を中心に大人気アクティビティへと発展した「サウナ」。

どちらも心と身体のリフレッシュ効果が期待されていますが、両者を組み合わせることで効果をさらに伸ばすことができるのでしょうか。

今回は薬剤師である私が、「CBDとサウナを組み合わせるとどうなるのか」について解説したいと思います。

また、本記事では「CBDをサウナに利用する際のポイント」も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること・CBDとサウナを組み合わせるとどうなるか
・CBDとサウナを組み合わせるメリット
・CBDをサウナで利用する際のポイント

そもそもCBDとは?

CBD

CBDとは、Cannabidiol(カンナビジオール)の略称であり、大麻草の成熟した茎や種子に含まれる天然成分の1つです。

CBDは大麻由来の成分ですが、精神活性作用が無いことが分かっており、日本でも合法で利用することができます。

実際に厚生労働省も、CBDは大麻取締法上の「大麻」に該当せず、違法性が無いことを明言しています。

また、CBDには依存性や乱用性が無いことも分かっており、WHO(世界保健機関)にも安全性の高さが認められています。

最近では、日本でもCBDを含んだオイルやカプセルが販売されているので、気になった方はチェックしてみてください。

CBD×サウナで整う?

最近では、「サウナ×CBDでワンランク上の整い方が期待できる」といった噂も聞くことが増えてきています。

皆さんの中にも、「本当にCBD×サウナで整うのか?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

ここでは、「CBD×サウナで整うのか」について詳しく解説したいと思うので、CBDをサウナに利用したい方は是非チェックしてみてください。

そもそも整うとは

「整う」とは、サウナ利用後の「リラックス」している状態のことであり、サウナハイやサウナトランスとも呼ばれています。

このリラックス状態は、「サウナ」・「水風呂」「外気浴」の順番で温冷交代浴を行うことで起こります。

温冷交代浴を行うと、温冷差の刺激によって脳内に「β-エンドルフィン」や「オキシトシン」などの脳内物質が分泌されます。

これらの脳内物質は心身をリフレッシュする効果があるとされており、分泌されることで日常生活では味わえないリラックスを体験できます。

最近では、「整う」ことはサウナの醍醐味ともなってきており、若者から高齢者まで幅広い層から注目を集めてきています。

CBDにもリラックス効果がある

CBDでリラックスしている女性

サウナには「リラックス効果」があるとされていますが、実は「CBD」にもリラックス効果が期待されています。

CBDのリラックス作用は、CBDの摂取によって脳内物質である「セロトニン」が分泌されることで起こると考えられています。

セロトニンには、精神をリラックスさせる作用や不安を緩和する効果があるとされており、別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。

実際に2019年の論文では、CBDを投与されたマウスは、セロトニンが分泌されたことが示唆されています。

リラックス目的でCBDを利用してる方も多いので、気になった方は是非利用してみてください。

サウナ×CBDで相乗効果が期待できる

サウナとCBDには、それぞれ異なったメカニズムによる「リラックス効果」が期待されています。

そのため、CBDとサウナを一緒に利用することで、リラックスの「相乗効果」を期待することができます。

また、一説では、CBDには「β-エンドルフィン」の分泌を促進させる作用があるとされています。

このCBDの作用によって、サウナで分泌される「β-エンドルフィン」の分泌量が増加し、より強いリラックス効果を期待することもできます。

最近ではサウナ用のCBDオイルなども販売されているので、相乗効果を期待したい方は是非チェックしてみてください。

ただ、CBDとサウナの安全性を明確に示したエビデンスは現時点では無いため、利用する際は体調を見つつ利用することをおすすめします。

CBDとサウナを組み合わせるメリット

CBDをサウナを利用することで、リラックスの相乗効果を期待することができますが、その他のメリットはあるのでしょうか?

ここでは、CBDとサウナを組み合わせるメリットを6つ紹介したいと思います。

ストレスや不安の緩和

ストレスや不安を感じている男性

サウナにはリラックス効果以外にも、ストレスや不安を緩和する効果が期待されています。

サウナのストレスや不安を緩和する効果は、サウナの高温の空気が中枢神経の興奮を高めることで起こると考えられています。

一方、CBDもサウナと同様に、ストレスや不安を緩和する効果が期待されています。

実際、2011年の論文では、CBDを投与された被験者に、ストレスや不安の緩和が見られたことが報告されています。

CBDとサウナを組み合わせることで、ストレスや不安から解放されるだけでなく、メンタルヘルスを改善することも期待できるでしょう。

睡眠の質向上

サウナは、ノンレム睡眠(深い睡眠)の割合を1.5〜2倍増加させることで、睡眠の質を向上させると言われています。

皆さんの中にも、睡眠の質の向上を目的としてサウナを利用している方も多いのではないでしょうか?

実は、サウナだけで無くCBDにも、睡眠の質を向上させる効果が期待されています。

実際に2022年の臨床試験では、CBDを投与された被験者は徐波睡眠の割合が増加し、睡眠の質が向上したことが報告されています。

徐波睡眠とは、最も眠りの深い睡眠のことであり、この睡眠の割合が増加すると熟睡感が向上すると言われています。

CBDをサウナで利用することで相乗効果により、より質の良い睡眠を実感することが期待できます。

もし、どちらか片方の効果で満足できていない方がいらっしゃるなら、CBDとサウナを組み合わせて利用することをおすすめします

ダイエットのサポート

ダイエットに成功した女性

サウナとCBDは代謝を向上させることで、ダイエットをサポートする効果が期待されています。

まず、サウナは「甲状腺ホルモン」の分泌量が増加させることで、代謝を向上させると言われています。

甲状腺ホルモンとは、首の前方にある「甲状腺」から分泌されるホルモンのことであり、細胞の代謝を上昇させる働きがあるとされています。

一方、CBDは細胞レベルのエビデンスですが、「ミトコンドリア」の働きを調節することで代謝を上げる効果が期待されています。

ミトコンドリアとは、細胞内の小器官のことで、代謝を行う働きがあるとされています。

なかなか痩せられない」・「太りやすい」といった悩みを抱えている方は、一度CBDとサウナの組み合わせを試してみてもいいかもしれません。

アンチエイジング効果

サウナは「サーチュイン遺伝子」を活性化させることで、アンチエイジング効果を発揮すると言われています。

サーチュイン遺伝子とは、老化や寿命を制御する役割がある遺伝子のことで、別名「長寿遺伝子」とも呼ばれています。

本来、サーチュイン遺伝子は飢餓状態に活性化するのですが、サウナと冷水を浴びるといった温冷交互浴でも同様の効果を得ることができます。

一方、CBDには「抗酸化作用」があるとされており、活性酸素を除去することでアンチエイジング効果を発揮することが期待されています。

活性酸素とは、体内の酸素の一部が活性化した物質のことで、強い酸化作用によって細胞にダメージを与えると考えられています。

このように、サウナとCBDはそれぞれ異なった角度から、アンチエイジング効果を発揮します。

そのため、もしあなたが、

  • 肌のシミやシワ
  • たるみが増えた 
  • 若い時より疲れやすくなった
  • 思考力や記憶力が悪くなった  

などの悩みを抱えている場合は、サウナとCBDを組み合わせて利用することをおすすめします。

高血圧を改善する

血圧を測っている男性

血圧が高い状態が続くと、心疾患や心疾患などの深刻な病気に繋がる恐れがあります。

高血圧の改善には、運動や食事が重要であることは有名ですが、過去の研究からサウナとCBDにも高血圧を改善する効果が期待されています。

サウナについて言えば、2012年の論文で、サウナを利用した高血圧患者は血圧が低下したことが報告されています。

また、この論文では、運動後にサウナに入ることで、より効果的に血圧を低下させることも示唆されています。

次に、CBDについては、2017年の研究で、CBDを投与された被検者の血圧が有意に低下したことが報告されています。

これらのことから、高血圧にお悩みの方は、CBDとサウナを組み合わせて利用してみることで、効果的に血圧を改善してみてはいかがでしょうか。

自律神経を整える

自律神経とは、内臓や代謝・体温などを調節する働きがある神経系のことであり、働きが乱れることで様々な心身の不調が現れるようになります。

サウナとCBDには、そんな自律神経を整えることが期待されています。

まず、サウナについてですが、「サウナ→水風呂→外気浴」というサイクルを行うことで、体内に急激な温度変化が起こり、自律神経を整えるとされています。

一方、CBDは体内に存在するECS(エンドカンナビノイドシステム)に作用することで、自律神経を整えると考えられています。

自律神経の乱れによって体に不調を感じた場合は、サウナとCBDを組み合わせて利用してみるのも1つの選択肢としていいかもしれません。

CBDをサウナで利用する際のポイント

CBDをサウナで利用する際は、いくつかのポイントに注意する必要があります。

ここでは、CBDをサウナで利用する際のポイントを3つ紹介したいと思うので、CBDとサウナを組み合わせたい方は是非参考にしてみてください。

CBDが効き始めるまでの時間を考慮する

オイルなどのCBD製品

CBDは摂取方法によって、「効果が効き始めるまでの時間」が大きく異なることが分かっています。

「効果が効き始めるまでの時間」を理解していないと、サウナを利用する際にCBDの十分な効果を感じることができないため注意が必要です。

CBDの摂取方法ごとの「効果が効き始めるまでの時間」は、以下を目安程度に参照ください。

  • 経口摂取(CBDカプセルなど):30分〜1.5時間前後
  • 舌下摂取(CBDオイル)   :30分前後
  • 吸引摂取(CBDベイプ)   :数分〜10分前後

CBDとサウナを組み合わせてを利用する場合は、上記の数値を参考にして、サウナに入る時刻から逆算し摂取することを意識しましょう。

個人的には、効果を実感する時間が長いという理由から、CBDカプセルなどで行う「経口摂取」がおすすめなので、是非利用してみてください。

お酒を飲んだ後にCBD・サウナを利用しない

お酒を飲んだあとは、CBDを摂取しない、もしくはサウナに入らないようにしましょう。

まず、CBDは安全性の高い成分ですが、お酒と一緒に摂取しても問題ないと断言できる研究結果は現段階ではありません

また、CBDには酔いが回るスピードを加速させる作用があるとされており、お酒を飲んだ後にCBDを併用することはおすすめできません

一方、サウナも血流を促進することで、普段以上のスピードでアルコールが回るため、意識の消失や不整脈が起こる原因となり非常に危険です。

実際に過去には、アルコールを摂取した後にサウナを利用することで、死亡事件が起こったことも報告されています。

このようなことから、お酒を飲んだ後に、CBD・サウナを利用することはさけるようこころ掛けましょう。

CBDの適切な摂取量を見つける

CBDオイルを摂取している男性

CBDは、人によって適切な摂取量が大きく異なることが分かっています。

適切な量のCBDを摂取できていないと、以下のような副作用を感じる場合や、十分な効果を感じられない場合があるため注意が必要です。

  • 眠気
  • 動悸
  • 喉の渇
  • 軽度のめまい
  • お腹が緩くなる など

しかし、「どれくらいの量を摂取すればいいのか分からない…」といった悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?

そのような悩みをお持ちの方は、1日に体重1kgあたり「0.25〜0.5mg」のCBDを2回摂取することをおすすめします。

体重CBD開始量 (1回量)
40kg10~20㎎
50kg12.5~25㎎
60kg15~30㎎
70kg17.5㎎~35㎎
80kg20~40㎎
90kg22.5㎎~45㎎
100kg25㎎~50㎎

これは体重が40kgの人ではCBD10㎎〜20㎎、体重60kgの人ではCBD15㎎〜30㎎に相当し、それを1日に2回摂取してみることを提案します。

また、もしCBDの効果が十分に感じられない場合は1日に体重1kgあたり「0.5mg」ずつCBDを増量してみることがおすすめです。

CBD薬剤師の質問コーナー

CBD製品は高濃度の方がいい?

CBD製品を利用されている方の中には、濃度が高い製品の方が効果が高いと考えている方が多くいらっしゃいます。

しかし、医学的に重要なのは、CBDの「濃度」ではなく「摂取総量」です。

例えば、濃度が10%のCBDオイルを1ml内服するのと、5%のCBDオイルを2ml内服するのとでは、CBDの摂取量は同じであり、理論上同じ効果が期待できます。

CBD製品を利用する場合は濃度ではなく、CBDの摂取総量を考えましょう。

CBDの利用を控えるべき状況はある?

CBDの利用を控えるべき状況には、以下のようなものがあるとされています。

  • 妊娠中
  • 授乳中
  • 重度の循環器疾患
  • 特定の処方薬 など

上記のような状況でCBDを利用した場合、人によって副作用が起こる可能性があるため注意が必要です。

もし、どうしても利用したい場合は、かかりつけの病院に行き医師に相談をすることをおすすめします。

CBDの効果の持続時間は?

CBDの効果の持続時間は、以下のように摂取方法によって異なります

  • 舌下摂取 :6時間前後
  • 吸引摂取 :2〜3時間前後
  • 経皮摂取 :6〜10時間前後
  • 経皮摂取 :4〜6時間前後

利用目的を明確にすることで、自分に合った摂取方法を利用するようにしましょう。

参考文献

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