ここ最近、「CBNクッキー」という言葉を耳にする機会が増えています。
SNSなどでは「もう違法になるらしい」・「やばい」といった情報が飛び交い、実際のところどうなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「CBNクッキーは違法なのか」、そして「本当にやばいのか」ということについて、最新の情報をもとにわかりやすく解説します。

日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師
日本臨床カンナビノイド学会認定登録師
所属学会:日本薬理学会、日本緩和医療薬学会、日本在宅薬学会、日本臨床カンナビノイド学会
CBN・CBNクッキーとは?
ここでは、「CBN」や「CBNクッキー」とは何かについて、基本的な内容をわかりやすく解説します。
そもそもCBNとは?

CBN(カンナビノール)は、大麻草に含まれる100種類以上のカンナビノイドの1つで、化学的にはTHC(テトラヒドロカンナビノール)が酸化・分解する過程で生成される化合物です。
そのため、植物の状態、加工方法、保管環境などによって含有量が変化するという特徴があります。
近年の研究では、睡眠のサポート、痛みや炎症の緩和、抗菌作用などが期待できる可能性が示されています。
また、体内に存在する「エンドカンナビノイドシステム」との関わりも研究されており、CBDとは異なる働きを持つと考えられています。
CBNクッキーの特徴
CBNクッキーは、CBNが配合されたクッキータイプの製品です。
この製品は一般的なクッキーと同じく、口で食べて摂取(経口摂取)できるため、カンナビノイド製品が初めての方でも簡単に利用できます。
また、経口摂取だとCBNが消化器官を通して吸収されるため、効果を感じるまでの時間は比較的ゆっくりで、持続時間は長いと言われています。
ちなみに、「効果を感じるまでの時間」・「効果の持続時間」の目安は以下のとおりです。
- 効果を感じるまでの時間:30分〜1.5時間前後
- 効果の持続時間:6〜10時間前後

CBNクッキーは違法?
CBNを含む製品は、SNSなどでも「もう違法になるらしい」と話題になっています。
実際のところ、現時点ではどのように扱われているのでしょうか。ここでは、CBNクッキーの現在の法的な位置づけについて整理して解説します。
現在は合法、今後違法となる可能性も

結論から言うと、現在は合法ですが、今後は違法となる可能性が高いです。
実は、2025年10月28日に開催された薬事審議会指定薬物部会において、CBNを「指定薬物」として指定することが適当であると答申されました。
この答申を受けて、厚生労働省はCBNを指定薬物とする改正省令案を公示し、2025年10月29日から11月27日までの期間でパブリックコメント(意見募集)を実施しています。
その後、2025年12月中旬頃に省令が公布され、公布の10日後に施行される予定です。したがって、2025年12月下旬頃からCBNを含む製品(CBNクッキーなど)は違法になる見込みです。
なぜCBNは規制される方向になったのか?
ここでは、厚生労働省の発表内容や報道などをもとに、主な理由を3つに分けて解説します。
①精神活性作用をもたらす可能性があるため
CBNは精神活性作用をもたらす可能性があり、それが規制判断の大きな理由の1つです。
もともとCBNは、大麻の主要成分であるTHCが変化してできる物質です。
THCは、脳に存在する「CB1受容体」という神経受容体に結合し、陶酔や多幸感などの精神活性作用を引き起こすことで知られています。
CBNもこのCB1受容体に作用することが報告されており、精神的な作用をもたらす可能性が指摘されています。ただし、CBNの作用はTHCほど強くなく、精神活性の強さはTHCの約10分の1程度とする見方もあります。
それでも、精神活性作用を完全に排除できない成分であることから、厚生労働省は安全性への懸念を示し、規制の対象とする方針を示しました。
②健康被害のおそれがあるため

CBNが規制の対象とされたもう1つの理由は、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがあると判断されたためです。
この判断には、CBNを含む可能性のある食品による事件が報告されたことなど、安全性への懸念が高まった社会的背景が関係しているとみられます。
その一例として、2024年5月には、山梨県甲府市でCBNを含むとされるクッキー製品を摂取した男子大学生が、摂取後に異常な行動を示し、建物の2階から飛び降りて負傷する事例が報道されました。
ただ、この事例についてCBNそのものが直接の原因であったと断定されたわけではありません。

③THC検査の際に偽陽性を引き起こす可能性があるため
これは、上記の2つとは異なり、厚生労働省が公式に発表している理由ではありません。
しかし、CBNは薬物検査で、誤って陽性と判定される「偽陽性」を引き起こす可能性があることが報告されています。
これは海外の研究で確認されており、CBNの濃度が一定以上になると、THCの代謝物を検出する検査で陽性反応が出る場合があるとされています。
これは私の憶測でもありますが、こうした検査上の誤判定リスクを防ぐことも、今回CBNが規制対象になった要因の1つであると考えられます。
違法になったCBNクッキーを所持・利用するとどうなる?
ここでは、CBNが指定薬物に追加された後、どのような扱いになるのか、そのポイントをわかりやすく解説します。
処罰を受ける可能性がある
今後、省令の施行によってCBNが「指定薬物」に追加された場合、CBNクッキーは違法となり、所持・使用・購入・譲受・販売・輸入などが禁止の対象となります。
これらの行為を行った場合、法的な処罰が科される可能性があります。
まず、一般の所持・使用については、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、もしくはこれらの併科が規定されています。
さらに、営利目的で製造・販売・輸入等を行った場合には、5年以下の懲役または500万円以下の罰金、またはこれらの併科と、より重い罰則が適用されます。
つまり、CBNクッキーが違法な状態で扱った場合には、消費者・事業者ともに刑事責任を問われる可能性があり、摘発や起訴につながるリスクがあることを理解しておく必要があります。
違法になったCBNクッキーは処分する必要がある

施行日を迎えると、CBNを含むクッキーなどの製品は法的に禁止対象となり、手元に残しておくだけで違反行為とみなされる可能性があります。
そのため、施行以降も引き続き所持している場合には、速やかに処分を検討する必要があります。
特に、購入したまま保管していたり、譲り渡したり、使用したりすることは、いずれも禁止行為として扱われる恐れがあります。
また、単に一般ごみに出すなどの方法では、「所持していた」という状態が法的に解消されたと判断されない場合があり、適切な処分方法が求められます。
このように、違法化されたCBNクッキーは所持しているだけでも法的リスクにつながるため、適切な方法で処分を行い、所持状態を解消することが最優先となります。
具体的な処分手続きについては、自治体や行政機関へ相談し、その指示に従うことが安心かつ確実です。

実際にCBNクッキーはやばい?
CBNクッキーは施行後は違法となりますが、安全性の面ではどうなのでしょうか。
CBNは現時点では安全性が明確に立証されていないというのが正確な状況です。これは、CBNがCBDと比べて臨床試験の数がまだ少なく、人への影響について十分なデータがそろっていないためです。
一方で、既に行われている基礎研究からは、安全性が極端に低い成分ではない可能性も示唆されています。
例えば、カナダの企業による動物実験では、CBNを投与して血中濃度を大幅に高めた場合でも、中枢神経に明確な有害作用は見られなかったと報告されています。
このような情報を総合すると、「危険と断定するだけの証拠が不足している」という評価が、現段階で最も妥当だと言えます。
そのため、CBNクッキーは一概に「やばい」と言い切れるわけではありませんが、違法となる可能性があるため、購入する際は注意してください。
CBN製品の規制後は、CBDアイソレートがおすすめ

CBN製品は、省令の施行によってCBNが「指定薬物」に追加されると、施行日以降は違法となります。
そんな中、合法かつ安心して使用できる選択肢として注目されているのが、「CBDアイソレート」です。
「CBDアイソレート」とは、CBD成分のみを含んだ純粋な製品のことです。
CBDは、世界保健機関(WHO)の報告において「乱用や依存のリスクが認められない」と評価されており、日本で合法的な成分として扱われています。
そのため、法規制を守りながら安心して、カンナビノイド製品を取り入れたい方にとって、「CBDアイソレート」は安全性を重視しやすい選択肢といえるでしょう。
CBDアイソレート「ちるねる」
ここでは、CBDアイソレート「ちるねる」について解説します。
THC基準値をクリア
CBD製品は、Δ9-THCの含有量が10ppm以下であることが法的な基準とされています。
「ちるねる」は検査の結果、約3ppmという数値が確認されており、2024年12月の法改正後も安心して使用できる基準を満たす製品です。
さらに、成分分析は厚生労働省が検査可能機関として紹介している「KCA Laboratories LLC」で実施されております。
- 「規制後も使える安全なCBD製品を選びたい」
- 「取り扱う製品に法的リスクを残したくない」
という方にとって、信頼できる選択肢の1つといえるでしょう。

原料と管理体制へのこだわり
「ちるねる」は、オーガニック栽培されたヘンプを原料として採用しています。
同製品では、製品化に至るまでのすべての工程を一貫して管理し、余計な成分が混入しないよう品質管理を徹底しています。
また、「ちるねる」は、安全性と信頼性を兼ね備えた国内の工場で製造されています。
高濃度CBD100mgを1粒に配合
「ちるねる」は、1粒あたりにCBDを100mg配合した高濃度タイプのカプセルです。
また、「ちるねる」にはオリーブオイルが使用されており、飲みやすさや摂取しやすさにも配慮された設計となっています。
医療機関・患者会でも利用実績あり
「ちるねる」は、その品質管理と成分の明確さが評価され、医療関係者や患者会からも信頼を得ているCBDカプセルです。
特に、カンナビノイド医療患者会「PCAT」では、会員向けに特別価格での提供が行われています。
CBD製品の中でも、こうした形で専門家や団体に認知されている例はまだ多くなく、「ちるねる」は信頼性の高いCBD製品の1つといえるでしょう。

【参考文献・資料】
- 厚生労働省. (2025, October 29). 新たに指定薬物を指定する省令案に対する意見の募集を行います [報道発表資料]. https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212707_00034.html
- InMed Pharmaceuticals. (2020, June 8). Cannabinol 101: The science of cannabinol (CBN). InMed Pharmaceuticals.https://www.inmedpharma.com/learn/cannabinol-101-the-science-of-cannabinol-cbn/
- 読売新聞社. (2025, June 18). [記事タイトル]. 『読売新聞』. https://www.yomiuri.co.jp/national/20250618-OYT1T50201/
- Kroner, G. M., Johnson-Davis, K. L., Doyle, K., & McMillin, G. A. (2020). Cannabinol (CBN) cross-reacts with two urine immunoassays designed to detect tetrahydrocannabinol (THC) metabolite. Journal of Applied Laboratory Medicine, 5(3), 569–574. https://doi.org/10.1093/jalm/jfaa020




