最近、リフレッシュなどに使えることで有名になった「CBD」。
そんなCBDですが、利用するに当たって「CBDにもTHCと同じ多幸感があるのではないか?」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
そこで、今回は薬剤師である私が、「CBDで多幸感を感じるか」や「CBDとTHCの違い」について解説したいと思います。
そもそもCBDとは?
CBDとは、カンナビジオールの略称で、大麻に含まれる成分の1つです。
大麻には、CBD以外にもカンナビノド類やテルペン類、フラボノイド類など500種類以上の生理活性物質が含まれています。
皆さんが大麻と聞いてイメージする精神活性作用や違法性があるのは「THC」と呼ばれる成分であり、CBDとは別の成分です。
また、CBDは安全性が高いことも分かっており、日本でも合法的に使用できます。
そもそも多幸感って何?
多幸感とは、とても強い幸福感や満足感で満たされている精神状態のことです。
では、多幸感を感じるメカニズムはどのようなものでしょうか?
ここでは多幸感を感じるメカニズムについて詳しく解説したいと思います。
多幸感を感じるメカニズム
強い幸福感や満足感で満たされている「多幸感」を感じるメカニズムは2種類あります。
- 神経伝達物質セロトニンや幸福ホルモンのオキシトシンの大量放出
- 神経伝達物質ドパミンの過剰分泌
日常生活で得られる多幸感は、1のメカニズムで「セロトニンやオキシトシンが大量放出」されて感じます。
この多幸感は勝利での陶酔感、オーガニズム・愛情による至福感などによって感じる場合が多く、「日常生活で感じる強い幸福感」とも言われています。
一方、麻薬や薬による多幸感は、2のメカニズムの「ドパミンの過剰分泌」で感じます。
ドパミンは脳を興奮させたり、緊張させたりする作用を持っている神経伝達物質の1つです。
薬物を摂取するとドパミン神経系から大量のドパミンが分泌され、強い興奮や多幸感、快感などを感じるようになります。
この多幸感は、日常生活で得られる多幸感と比較すると、持続的で依存しやすいという特徴があります。
市販の薬でも多幸感を感じる場合がある
市販薬でも多幸感を感じる場合があり、最近では市販薬乱用の実態が深刻な問題になっています。
実際に2020年に行われた調査でも、市販薬乱用による依存症患者は2012年から2020年の間に約6倍に増加していることが報告されています。
多幸感を感じる可能性がある市販の医薬品と処方薬は、以下の通りです。
【市販の医薬品】
- 鎮咳去痰薬(咳止め)
- 総合感冒薬(風邪薬)
- 解熱鎮痛薬(痛み止め)
- 鎮静薬
- 抗アレルギー薬
- 眠気防止薬(カフェイン製剤)
【処方薬】
- 向精神薬
- 睡眠導入剤
処方薬は医師に処方してもらう必要がありますが、市販の医薬品はドラッグストアやネット通販でも購入できるものばかりです。
そのため、関係者からは「市販薬のリスク区分は副作用の視点からなされているが、乱用の視点も必要」という声もあがっています。
CBDで多幸感が得られる?他の大麻由来の成分は?
大麻を摂取すると多幸感を得ることができると言われていますが、CBDでも多幸感を得ることができるのでしょうか?
また、他の大麻由来の成分はどうなのでしょうか?
ここでは、大麻由来の成分の多幸感について紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
CBDには大麻のような多幸感が無い
結論から言うと、CBDを摂取しても大麻で感じられるような「多幸感」を得ることはありませんが、異なる精神作用があることが報告されています。
2020年、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で、男女18人を対象にしてCBDの主観的な精神作用に関する実験が行われました。
この実験で用いた薬物と薬物量、摂取方法は以下の通りです。
- CBD 100 mgを経口摂取
- CBD 100 mgを吸引摂取
- CBD優勢大麻(CBD 100 mg、THC 3.7 mg)を吸引摂取
- プラセボ(何の有効成分も入っていない偽薬)
この実験では、精神作用はどの薬物のどの摂取方法でも観察されず、CBDとCBD優勢大麻を吸引摂取した場合のみ「心地よい」という主観的な精神作用を感じたと報告しています。
また、主観的精神作用は、男性よりも女性で感じやすいとも報告しています。
今後、CBDの多幸感とは違う「心地よい」と感じる精神作用については、ますます研究が進むでしょう。
大麻の多幸感はTHCが原因で起こる
大麻で得られる「多幸感(精神活性作用)」は、CBDではなくTHCが原因で起こっています。
しかし、CBDが大麻由来の成分であるため、大麻の多幸感はCBDが原因だと考えている方が一定数いるようです。
それは、日本での大麻に対するイメージが、「CBD=大麻(THC)=多幸感」となっているためだと考えられます。
また、CBDには「リラクゼーション効果」や「ストレス解消」などのリフレッシュ作用があるとされています。
これらの効果はTHCにも同じようにあるため、「リフレッシュ作用=多幸感=CBD」と結び付けられているのでしょう。
THCとCBDは同じ大麻からの抽出成分ですが、異なる成分であり、違う特徴を持つことを理解しましょう。
他の大麻成分にも精神活性作用がある
THC以外の大麻成分では、「CBN(カンナビノール)」と「THCV(テトラヒドロカンナビバリン)」について精神活性作用が報告されています。
CBNは、THCの4分の1の結合力でCB1受容体に結合し、10分の1程度の精神活性作用があると言われています。
CB1受容体とは、脳内にあるカンナビノイドが結合する受容体のことであり、結合することで精神活性作用が起こるとされています。
また、同じくカンナビノイドの1つである「THCV」は、高用量と低用量で異なる作用が起こることが報告されています。
実際にTHCVのマウスを用いた研究では、高用量ではTHC同様にCB1受容体に結合し、低用量ではTHCの作用を防ぐという、相反する研究結果が報告されています。
これらの成分は同様に日本でも合法で利用できますが、CBDと違い安全性が明らかになっていないため積極的に利用することはおすすめできません。
CBDとTHCの違い
同じ大麻抽出成分でも、多幸感の有無が異なるCBDとTHCにはどのような違いがあるのでしょうか?
ここではCBDとTHCの違いを3つ紹介します。
日本の法律ではCBDは合法、THCは違法
日本の法律ではCBDは合法、THCは違法という扱いになっています。
2者の最大の違いは、THCには幻覚や多幸感と呼ばれる精神作用があるけれど、CBDにはないことです。
大麻の有害作用を引き起こす主成分はTHCであるために、日本の大麻取締法では、THCに着目して取締りを行っています。
したがって、大麻からの抽出成分がCBDのみであれば、所持や使用も違法にはなりません。
しかし、CBDはTHCも含まれている大麻から抽出されるので、製造の仕方によってはTHCが含まれてしまう場合もあります。
実際に過去には、市販のCBD製品から「THC」が検出された事件などもあったため、CBD製品を購入する際は信頼できるメーカーを選ぶことをおすすめします。
CBDは安全性が高く、THCは依存性のリスクがある
CBDはWHO(世界保健機関)において、THCとは異なる薬理作用を示し、乱用と依存の可能性が低く、安全であることが明らかになっています。
実際に1980年の論文でも、CBDを摂取した被験者には、重い副作用や毒性が見られなかったことが報告されています。
また、医療目的のCBD医薬品「エピディオレックス」が欧米ですでに承認されており、難治性てんかんに対して有用であることが証明されています。
一方、THCは精神的依存性や、幻覚・息切れ・喉の渇きなどの副作用があることが分かっています。
ただ、THCの依存の強さは、覚醒剤などの他の薬物と比較しても低く、過剰摂取による死亡例も非常に少ないと言われています。
CBDとTHCの作用機序の違い
CBDとTHCの作用機序の説明のために、エンドカンナビノイド・システム(ECS)について説明しましょう。
ECSとは、人間に備わっている身体調節機能のことで、人間が体内で生成する内因性カンナビノイドと「CB1」・「CB2」などのカンナビノイド受容体などから構成されています。
内因性カンナビノイドは、CB1受容体やCB2受容体と結合することで、心身の不調を改善するとされています。
CBDとTHCは、内因性カンナビノイドと同じようにECSのCB1・CB2受容体に作用して身体に影響を与えますが、その作用の仕方は異なります。
THCはCB1受容体やCB2受容体の両方とダイレクトに結合し、神経伝達を刺激して働きを促進すると言われています。
一方、CBDは2つの受容体にほとんど結合親和性を持たず、ネガティブアロステリックモジュレーター(他の薬物を弱めるように働く性質)の作用を持つといわれています。
また、THCとCBDを同時に摂取するとCBDがCB1に強く結合し、陶酔作用が過剰に働くのを抑制するとも考えられています。
CBDの使用目的とは?
安全性が高く、違法性が無いCBDですが、利用者はどのような目的でCBDを利用しているのでしょうか?
ここでは一例として、男女195名を対象に「CBDの使用目的」を調査したアンケート調査をご紹介したいと思います。
このアンケート調査の結果、「CBDの使用目的」は以下の通りになりました。
- リラックス 35%
- 不安 29%
- 活力 18%
- 痛み 12%
- 自律神経 6%
この調査結果から、常日頃からストレスや不安などに悩みを持っている方は多く、リラックスや不安解消目的でCBDを利用する人は多いということが考えられます。
また、最近では健康の維持・増進や美容といった幅広い目的でCBDを利用している方も年々増加してきています。
日々の生活の中で生じるストレスや不安などにお悩みの方は、試しにCBDを日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
CBD製品を購入する際のポイント
日本では合法のCBDですが、購入する際にはいくつかのポイントに注意する必要があります。
ここでは、CBD製品を購入する際のポイントを2つご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
第三者機関の検査の有無を確認する
CBD製品を購入する際には、第三者機関の検査の有無の確認をしましょう。
第三者機関とは、企業や組織外部の中立的立場から調査・評価などを行う組織のことで、具体的には、研究所や大学などのことです。
第三者機関では、以下のような検査が行われています。
- 違法成分THCが基準値以下であるか
- 農薬や禁止溶媒などの危険物質が混入していないか
- CBD量は表記通りであるか
第三者機関によって検査が行われ検査済証が付与されると、客観的に安全性が保証されたことになります。
CBD製品を購入する際には、Webサイトなどで検査済証の有無を確認し、品質と安全性を確保しましょう。
製品の製造過程が公開されているか確認する
CBD製品の中には情報の透明性を確保するため、製造過程を公開している場合があります。
製造過程を公開することは競合他社への情報漏れなどのリスクがあります。
しかし、お客様へ製品の安全性や信頼性といった情報の提供を優先すべきと考える企業もあります。
Herba Hypnos(ハーバ・ヒプノス)という薬剤師が作ったCBDブランドの「ちるねる」では、製造の過程を動画や画像を使って公開しています。
薬剤師や医師が監修しているか確認する
CBD製品を購入する際には、薬剤師や医師が監修しているか確認することも大切です。
CBD製品は人気があるので、他のサプリメントなどと違い、個人で製品を作り販売している人も増加してきています。
製造元がはっきりしないCBD製品が、ネット上で販売されているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか?
質が高く、安全なCBD製品を選ぶ際には、医師や薬剤師などの専門家が監修している製品を検討してみるのがおすすめです。
CBDは現段階では研究が十分に進んでおらず、未知の部分もたくさんあります。
人間の身体や医薬品に関して広くて深い知識を持っている専門家ならではの観点で、CBD製品を見ることができ、不必要なリスクを避けてくれるでしょう。
おすすめのCBDカプセル「ちるねる」
今回は「CBDで多幸感を感じるか」や「CBDとTHCの違い」について解説しました。
CBDを摂取しても多幸感を感じることは無く、大麻の多幸感はTHCが原因で起こることがお分かりいただけたと思います。
ここでは、薬剤師の私が監修しているCBDカプセル「ちるねる」をご紹介したいと思うので、気になった方はチェックしてみてください。
CBDカプセル「ちるねる」は、1粒当たりに100mgという高用量のCBDを配合しています。
市販のCBDカプセルの多くは、1粒当たり10mgもしくは、25mgのCBDを含んでいるものが多く、比較的高用量のものでも50mgほどしか配合されていません。
「ちるねる」は非常に高用量であるため、これまでにCBDの効果を十分に実感できなかった方におすすめとなっています。
「ちるねる」を一度利用してみることで、今までにないCBDライフを満喫してみてください。
日本臨床カンナビノイド学会所属の薬剤師が監修
上記でも説明したように、CBD製品を購入する際には、薬剤師や医師が監修しているか確認することも重要となります。
CBDカプセル「ちるねる」は、臨床カンナビノイド学会に所属して得た知見を基に、薬剤師である私が直接、商品化しました。
もちろん、第三者機関での検査も行っており、「危険物質や違法物質が混入していないこと」や「表記通りに成分が含まれていること」などもチェックしています。
そのため、安心安全にCBDを利用したい方は、CBDカプセル「ちるねる」を利用してすることをおすすめします。
継続して使用できるお手頃価格
CBDは、一般的なサプリメントと同様に、継続して利用することが重要です。
期間には個人差がありますが、大体7日〜、継続して使用して頂くことがおすすめです。
「ちるねる」は、1袋に10粒入りで4,500円、3袋セットで12,480円と手頃な価格となってるため、続けやすくなっております。
CBDカプセル「ちるねる」を継続して利用して頂き、普段の生活をより良いものにしていきましょう。
お客様の声
PCAT(カンナビノイド医療医療患者会)とは
おうめ薬局と薬剤師・荒川快生はCBD100mgカプセルの提供等を通じてPCAT(カンナビノイド医療患者会)の活動を応援しています。
CBD薬剤師による質問コーナー
CBDの効果が感じられない原因はなんですか?
CBDの効果が感じられない場合には、以下のような原因が考えられます。
- CBDが体質に合っていない
- CBDの摂取量が足りていない
- 表記通りのCBDが含まれていない
- CBDを過剰に摂取している
原因に対して正しい対処を行うことで、快適なCBDライフを満喫しましょう。
CBDと医薬品を併用しても大丈夫?
一部の医薬品はCBDを併用することで、薬の副作用や効果が通常よりも強く現れることがあります。
下記のような医薬品を利用している方はCBDとの飲み合わせに注意しましょう。
- 抗凝固薬
- 抗てんかん薬
- ステロイド
- 免疫抑制剤
抗うつ薬、抗精神病薬 など
参考文献
- 内閣府|ユースアドバイザー養成プログラム(改訂版)薬物依存
- 厚生労働省|わが国における市販薬乱用の実態と課題
- Pharmacodynamic effects of vaporized and oral cannabidiol (CBD) and vaporized CBD-dominant cannabis in infrequent cannabis users
- 日本臨床カンナビノイド学会|カンナビノイド
- The diverse CB1 and CB2 receptor pharmacology of three plant cannabinoids: delta9-tetrahydrocannabinol, cannabidiol and delta9-tetrahydrocannabivarin
- 大麻規制のあり方に関する大麻規制検討小委員会 議論のとりまとめ
- 大麻主成分の代謝と薬理-毒性
- カンナビジオール(CBD) 批判的審査報告書
- Adverse effects of cannabidiol: a systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials
- 大麻の依存性及び臨床薬理学的知見に関する研究
- 大麻 文化 科学考(その11)
- PR TIMES|CBDは本当に効果ある?どんな効果ある?CBD作用実感者へ調査!