近年、「CBD」はリラクゼーションなどの効果から、日本でも若者を中心に人気が高まっています。
そんな中、CBDと名前がよく似た「CBDA」と呼ばれる成分にも注目が集まっていることをご存じでしょうか?
本記事では、薬剤師である私が、そんな「CBDAの効果」や「CBDとの違い」について詳しく解説したいと思います。
また、現在X(旧Twitter)・Instagramにて、CBDに関する情報を発信しているので、是非チェックしてみてください!
そもそもCBDAとは?
CBDAとは、「Cannabidiolic Acid(カンナビジオール酸)」の略称であり、生育中の大麻草に含まれる化合物の1つです。
この「CBDA」は、大麻草の主成分である「CBD」の前駆体で、熱が加わり「脱炭素化」することでCBDに変化すると言われています。
ここでは、そんなCBDAの「安全性と違法性」・「人に作用するメカニズム」を詳しく解説したいと思うので是非チェックしてみてください。
CBDAの安全性と違法性
「CBDA」は「CBD」と違い、研究や実験の数が少ないため、断言はできませんが、安全性は高いのではないかと考えられています。
2016年の動物を用いた研究では、CBDA(0.05〜5kg/kg)をラットに経口投与することで、CBDAの安全性が評価されました。
その結果、CBDAを投与されたラットは、「運動活動」・「運動調整」などに悪影響が見られなかったことが報告されました。
この研究は臨床試験ではないため、ヒトに対しても同様の安全性を示すかは定かではありませんが、CBDAの安全性の高さを示唆しています。
また、CBDAは「CBD」や「CBG」などの大麻由来の成分と同様に、精神活性作用がないことが分かっており、日本でも合法的に使用できます。
最近では、CBDAが配合されたオイル製品も販売されているので、気になった方は一度利用してみるのもいいかもしれません。
CBDAが人体に作用するメカニズム
CBDを含む大麻由来の成分は、人体に存在する「受容体」に作用することで、リラクゼーションなどの様々な効果をもたらすことが分かっています。
CBDAは過去の研究から、セロトニン受容体である「5-HT1A 」に非常に強く作用することが分かっています。
「5-HT1A 」とは、中枢神経と末梢神経に分布している受容体であり、CBDAが作用することで「抗不安」などの効果を引き起こすとされています。
さらに、CBDAは「GPR55」と呼ばれる受容体に「拮抗薬」として作用することが分かっており、血圧や骨密度などの「生理的プロセスの調節」を行うのではないかとも言われています。
このように、CBDAは人体に存在する複数の受容体に作用することで、人体に様々なメリットを与えることが分かっています。
CBDAに期待されている効果
ここまでの説明から、「CBDAが人体に作用するメカニズム」がお分かり頂けたと思いますが、実際にはどのような効果が期待されてるのでしょうか?
ここでは、CBDAに期待される効果をエビデンスを基に解説したいと思うので、興味がある方は是非参考にしてみてください。
吐き気や嘔吐の抑制
CBDAは過去の研究から、「吐き気」・「嘔吐」を抑制する効果が期待されています。
2013年の研究では、ラットとトガリネズミに「CBDA」を投与することで、吐き気と嘔吐に対する有用性が評価されました。
その結果、CBDAを投与されたラットは「吐き気」が抑制され、トガリネズミは「嘔吐」が強く抑制されたことが報告されました。
さらに、この研究では、CBDAには「予期性悪心」を軽減する可能性があることも示唆されました。
予期性悪心とは、がん患者が「抗がん剤治療」を受ける前に、想像で激しい吐き気を感じる疾患のことです。
現在、CBDAの「吐き気」や「嘔吐」に関する研究は動物実験レベルでしか行われていませんが、今後更なる研究が行われることで、がん治療にも利用されることが期待されます。
てんかんの症状の改善
てんかんとは、「けいれん」や「意識の喪失」などの症状を伴う脳疾患のことで、脳に異常な電気信号が起こることで発症するとされています。
「てんかん」に効果がある成分として「CBD」が有名ですが、実は最近の研究から「CBDA」は「CBD」以上に「てんかん」に対して有効なのではないかと考えられています。
実際にイギリスのGW製薬の薬物動態研究では、「CBD」に比べて、「CBDA」は「てんかん」の発作を効果的に軽減したことが報告されています。
また、この研究では、「CBDA」は「CBD」よりも効果が出るまでの時間が短く、バイオアベイラビリティが高いことも明らかになっています。
バイオアベイラビリティとは、人体に投与された薬物が全身を循環する割合のことです。
CBDAの「てんかん」に対する研究は多くは無いですが、今後研究が進むことで、CBDAはCBDと同様に治療薬として利用されるかもしれません。
抗炎症作用
「CBDA」は、「CBD」や「CBG」・「CBN」など多くの大麻成分と同様に、「抗炎症作用」があることが分かっています。
CBDAは、人体に存在する「Cox-2」の働きを阻害することで、「抗炎症作用」を引き起こすと考えられています。
「Cox-2」とは、人体に存在する酵素の1つであり、炎症を促進する作用があるとされています。
実際に、2008年の研究では、CBDAは炎症促進作用がある「Cox-2」の働きを阻害することが報告されています。
この研究結果は、CBDAの炎症に対する有用性を示唆しており、今後の更なる研究に期待が高まります。
また、CBDAはTHCの前駆体である「THCA」よりも「Cox-2」に対して強い阻害作用があることが明らかになっています。
抗腫瘍作用
現在、年間36万人以上の日本国民が「がん」が原因で死亡していると言われており、「がん」は日本人にとって切っても切り離せない身近な疾患となっています。
CBDAは過去の研究結果から、「抗腫瘍作用」があるとされており、「がん」に対して効果が期待されてます。
2014年の研究では、乳がん細胞を「CBDA」に48時間さらすことで、経過を観察する実験が行われました。
実験の結果、CBDAは、「がん」の悪性腫瘍の転移を阻害する可能性があることが示唆されました。
この研究は、細胞を用いた基礎実験ではありますが、今後研究が進むことでCBDAが癌の新たな治療薬になることが期待できます。
抗菌作用
CBDAには、「抗菌作用」があるとされており、世間を騒がせた「コロナウイルス」に対しても効果が期待されています。
2022年のオレゴン州立大学の研究では、CBDAとCBGAの「コロナウイルス(SARS-CoV-2)」に対する有用性を評価する実験が行われました。
実験の結果、CBDAは「SARS-CoV-2」と「新たな変異種(アルファ変異体 B.1.1.7 ・ベータ変異体 B.1.351 )」の細胞侵入を阻害したことが報告されました。
この研究は、CBDAが「SARS-CoV-2」 による感染を予防および治療する可能性を示しており、更なる研究に期待が高まります。
記憶障害の改善
CBDAには、「神経保護作用」があるとされており、記憶障害を改善する効果が期待されています。
2023年の研究では、「CBDA」と「THCA」をアルツハイマーを患うマウスに投与し、有用性が評価されました。
その結果、CBDAを投与されたマウスは、「カルシウムの恒常性異常」が緩和し、記憶障害が改善されたことが報告されました。
この研究結果は、CBDAのアルツハイマーに対する潜在的な治療効果を示唆しており、今後の研究に期待が高まります。
CBDAの今後の可能性
上記で紹介したように、様々な効果が期待される「CBDA」ですが、熱が加わると「脱炭素化」されるため、安定した効果を得ることが難しいというデメリットがあります。
そのため、CBDAは臨床試験を行うことが難しいとされており、現在でもCBDと比べて、十分な数の研究が行われていません。
しかし、2019年イスラエルのミシューラム博士は、このデメリットを克服するため、「CBDAメチルエステル (HU-580)」 を製造しました。
「CBDAメチルエステル(HU-580)」とは、CBDAの分子構造を変化させることで製造された化学物質であり、高い安定性があることが分かっています。
現在、「CBDAメチルエステル」はうつ病や悪心・嘔吐などの疾患の治療薬としての可能性が期待されており、今後の更なる研究に注目が集まっています。
CBDAとCBDの違い
「CBDA」の前駆物質である「CBD」ですが、「CBDA」とは何が違うのでしょうか?
まず、「CBDA」と「CBD」は、人体に作用するメカニズムが大きく異なります。
上記でも説明したように、CBDAは「5-HT1A 」や「GPR55」などの受容体に作用することで様々な効果を引き起こします。
一方、CBDは上記の受容体に加え、カンナビノイド受容体である「CB1」・「CB2」にも作用することで様々な効果を引き起こすとされています。
具体的には、「CB1」は痛みの緩和や多幸感、「CB2」は抗炎症作用などの効果と関係しているのではないかと考えられています。
また、「CBDA」は「CBD」と違い、熱が加わると「脱炭素化」してしまうため、「CBD」のようにベイプなどでのように気軽に摂取することが難しいです。
そのため、CBDAを摂取したい方は熱が加わるベイプではなく、オイルやカプセルなどを利用することをおすすめします。
CBDカプセル「ちるねる」
今回は、「CBDAに期待される効果」や「CBDAの違法性や安全性」を解説しました。
CBDAは危険性・違法性がなく、
- 吐き気や嘔吐の抑制
- てんかんの症状の改善
- 抗炎症作用
- 抗腫瘍作用
- 抗菌作用
- 記憶障害の改善
などの効果が期待されていることがお分かり頂けたと思います。
ここでは、薬剤師の私が製造した、CBDカプセルの「ちるねる」をご紹介したいと思います。
安全性の高い・高品質のCBDを使用
CBDの原材料の「大麻草」の中には、「化学肥料」・「農薬」などの化学物質を蓄積しているものがあるとされています。
そんな大麻草から抽出された「CBD」を含む製品を利用すると、人体に化学物質が蓄積することで、健康被害が起こる可能性が考えられます。
その一方、「ちるねる」は、オーガニック栽培の大麻草から抽出される「安全性・高品質が高いCBD」を使用しています。
加えて、「ILAC MRA」や「A2LA」といった国際的な認証を得た検査機関の検査も行われており、安全性や品質が保証されています。
業界最大レベルのCBD100mgを配合
もし、CBDの効果を強く実感したいなどといった考えをお持ちなら、「ちるねる」は適切なCBD製品と言えるかもしれません。
なぜなら、「ちるねる」はカプセル1粒に、業界TOPレベルの「CBD100mg」を含んでいるからです。
実際に利用者の方からは、「高い満足感を得ることができた」といった感想を多く頂いています。
「十分な効果を実感したい」・「濃度の高い製品を利用したい」といった方は、是非一度「ちるねる」を利用することをおすすめします。
手に取りやすい手頃な価格
「ちるねる」は「CBD」を必要としている多くの人のために、「手に取りやすい手頃な価格」で販売しています。
CBDの1mg当たりの値段も「4.5円」であり、業界TOPレベルのコストパフォーマンスとなってます。
また、現在「ちるねる」が大好評につき、お得な定期プランを行っております。
対象となるのは、「ちるねる(オリーブオイル.Ver)」となっており、単品での購入に比べて、最大3,500円お得に購入できます!
CBDカプセル「ちるねる」をお得に利用したいと考えている方は、以下から確認してみましょう!
お客様の声
CBD薬剤師の質問コーナー
THCAとは?
THCAとは、テトラヒドロカンナビノール酸(Tetrahydrocannabinolic Acid)の略称であり、THCの前駆体となる成分です。
この成分は、「CB1」受容体と結合しないことが分かっているので、THCと違い精神活性作用を生み出すことはないとされています。
また、THCAは過去の研究から、
- 抗炎症作用
- 抗けいれん作用
- 神経保護作用
- 抗嘔吐作用
などの効果が期待されています。
大麻は有害性がある?
大麻は、過去の調査から「アルコール」や「タバコ」よりも有害性が低いと考えられています。
2010年の調査では、薬物の専門家などによって、大麻を含めた20種類の薬物の有害性が評価されました。
この調査では、薬物の有害性を「他人に与える害」・「使用者に与える害」の2つの大きな基準で採点することで評価しました。
結果、大麻は、日本で合法の「アルコール」や「タバコ」に比べ、有害性が低いことが明らかになりました。
また、アルコールは、20種類の薬物の中で最も有害性が高いことも明らかになりました。
このように、必ずしも「違法なものは危険、合法なものは安全」という訳ではないため、薬物に対する正しい知識を持つことが重要になります。
参考文献
- Neuromotor tolerability and behavioural characterisation of cannabidiolic acid, a phytocannabinoid with therapeutic potential for anticipatory nausea
- Cannabidiolic acid prevents vomiting in Suncus murinus and nausea-induced behaviour in rats by enhancing 5-HT1A receptor activation
- てんかんの治療におけるカンナビノイドの使用
- Cannabidiolic acid as a selective cyclooxygenase-2 inhibitory component in cannabis
- Down-regulation of cyclooxygenase-2 (COX-2) bycannabidiolic acid in human breast cancer cells
- Cannabinoids Block Cellular Entry of SARS-CoV-2 and the Emerging Variants
- The Cannabinoids, CBDA and THCA, Rescue Memory Deficits and Reduce Amyloid-Beta and Tau Pathology in an Alzheimer’s Disease-like Mouse Model