近年、「ヘンプオイル(ヘンプシードオイル)」は、栄養価の高いスーパーフードとして世界中から注目を集めています。
しかし、日本では、ヘンプオイルが店頭に並んでいることが少ないため、どういったものか分からないという方は多いのではないでしょうか?
今回は薬剤師の私が、「ヘンプオイルがどういったものか」ということや、「ヘンプオイルに期待される効果」・「CBDオイルとの違い」などについて詳しく解説したいと思います。
また、記事の後半では、「ヘンプオイルのおすすめの摂取方法」や「購入する際の注意点」も解説しているので気になった方は是非最後までご覧ください。
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ヘンプオイルとは?CBDオイルとは違う?
皆さんの中に、「ヘンプオイルがどういったものか分からない…」といった方はいらっしゃいませんか?
ここでは、「ヘンプオイルがどういったものか」ということや、「CBDオイルとの違い」について解説したいと思います。
ヘンプオイルはヘンプの種子から抽出されたオイル
ヘンプオイルとは、ヘンプ(大麻草)の種子(シード)から純粋な油脂成分のみを抽出したオイル製品のことです。
ヘンプオイルには、
- オメガ6脂肪酸(リノール酸、γ-リノレン酸)
- オメガ3脂肪酸(α-リノール酸)
- ビタミン(ビタミンE、ビタミンA、ビタミンCなど)
- ミネラル(鉄、亜鉛、マグネシウム)
- 食物繊維 など
などの成分が多く含まれており、人体に対して様々な効果を発揮するとされています。
特に、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸は3:1という理想的な割合で含まれており、血液をサラサラにする効果などが期待されています。
また、日本では、ヘンプの成熟した茎や種子から抽出される成分には違法性が無いため、ヘンプオイルを利用や所持したとしても逮捕されることはありません。
CBDオイルとは抽出部位や含まれる成分が異なる
そもそもCBDオイルとは、ヘンプから抽出される「CBD」と呼ばれる成分を「食用キャリアオイル」に溶かしたオイル製品のことです。
CBDオイルは、ヘンプオイルと同様にオイル状の製品ですが、「ヘンプの抽出部位」と「含まれる成分」が異なります。
まず、ヘンプの抽出部位ですが、ヘンプオイルがヘンプの種子のみから抽出される一方、CBDオイルは種子以外にヘンプの茎からも抽出されています。
次に、含まれる成分ですが、ヘンプオイルがオメガ脂肪酸などの成分を含んでいる一方、CBDオイルは「CBD」と呼ばれるカンナビノイド成分を主に含んでいます。
また、CBDオイルの種類にもよりますが、中には「CBD以外のカンナビノイド成分(CBGやCBN・CBCなど)」や「テルペン( 芳香成分)」を含んでいるものも販売されています。
ヘンプオイルとCBDオイルは異なる成分を含んでいるため、目的によってどちらを利用するか選ぶことをおすすめします。
ヘンプオイルに期待される効果
スーパーフードとして知られる「ヘンプオイル」ですが、実は以下のような効果が期待されています。
- 抗炎症作用
- 抗菌作用
- 抗酸化作用
- 保湿効果
ここでは、ヘンプオイルに期待されている4つの効果を詳しく解説したいと思うので、利用したいと考えている方は是非参考にしてみてください。
抗炎症作用
上記でも説明したように、ヘンプオイルには「オメガ3脂肪酸(α-リノール酸)」と呼ばれる成分が豊富に含まれています。
実は、この「オメガ3脂肪酸」は過去の研究から、体の炎症を抑える「抗炎症作用」が期待されています。
2011年の研究では、被験者に「オメガ3脂肪酸」とプラセボ(偽薬)を投与し、炎症や不安に対する有用性を観察する実験が行われました。
実験の結果、「オメガ3脂肪酸」を投与されたグループは、プラセボ(偽薬)のグループと比べて、炎症や不安が軽減したことが示唆されました。
慢性的な炎症を伴う疾患にお悩みの方は、試しにヘンプオイルを利用してみるのもいいかもしれません。
抗菌作用
酢や梅干しなどは抗菌作用がある食材として有名ですが、実はヘンプオイルも、「抗菌作用」が期待されています。
実際に2017年の研究では、ヘンプオイルが「黄色ブドウ球菌」などの様々な種類の細菌の働きを抑制することが報告されています。
黄色ブドウ球菌とは、食中毒の原因となる細菌であり、発症すると下痢や嘔吐・悪心などの症状を引き起こします。
細菌による食中毒のリスクを低下させたいと考えている方は、ヘンプオイルを定期的に摂取することをおすすめします。
抗酸化作用
ヘンプオイルには、「ビタミンA」や「ビタミンE」・「ビタミンC」などの「抗酸化作用」がある成分も豊富に含まれています。
これらのビタミンは、「抗酸化ビタミン」と呼ばれており、老化の原因となる活性酸素の働きを抑制する効果があるとされています。
活性酸素とは、体内の酸素が活性化した物質であり、強い酸化作用によって細胞の機能を低下させ、老化を進めると考えられています。
そのため、もしあなたが、
- 肌のシミやシワ
- たるみが増えた
- 白髪が増えた
- 疲れやすくなった
などの悩みを抱えている場合は、ヘンプオイルを利用してみてはいかがでしょうか。
保湿効果
「シワ」や「たるみ」・「シミ」といった多くの肌トラブルは、肌の乾燥が原因で起こることもあるとされています。
実は、ヘンプオイルに多く含まれる「オメガ3脂肪酸(α-リノール酸)」には、肌を保湿する効果があるとされています。
さらに、ヘンプオイルは肌に直接塗っても馴染みやすく、肌の油分のバランスを整える効果も期待されています。
そのため、肌トラブルを改善したいと考えている方はヘンプオイルを肌に塗ったり、そのまま飲んだりすることで摂取してみるものおすすめです。
ヘンプオイルの効果が期待できる疾患
「抗炎症作用」や「抗菌作用」など様々な効果が期待されるヘンプオイルですが、具体的にどういった疾患に対して効果があるのでしょうか?
ここでは、ヘンプオイルの効果が期待できる疾患をエビデンスや研究を基に詳しく解説したいと思います。
心臓病
ヘンプオイルには、体内で「一酸化窒素」を生成するアミノ酸である「アルギニン」が多く含まれており、心臓病のリスクを軽減する効果が期待されています。
一酸化窒素とは、心臓血管系における情報伝達物質であり、血管を弛緩・拡張させることで血圧を低下させ、心臓病のリスクを下げる働きがあります。
海外の研究では、アルギニンの摂取量の増加は、心筋梗塞などの心血管疾患のリスクの低下に関係があることが示唆されています。
また、ヘンプオイルに含まれる「γ-リノレン酸」は炎症を抑制する作用があるとされており、心臓病のリスクを低下させる可能性があることが分かっています。
そのため、食生活や生活習慣が気になる方は、定期的にヘンプオイルを摂取してみてもいいかもしれません。
アトピー性皮膚炎
ヘンプオイルには、アトピー性皮膚炎の症状を緩和する効果が期待されています。
2005年の研究では、アトピー性皮膚炎を患う被験者を対象に食用ヘンプオイルを投与し、有効性を観察する実験が行われました。
この実験は計20週間行われ、被験者には皮膚の乾燥や痒みに関するアンケートが実施されました。
実験の結果、食用ヘンプオイルを投与された被験者は、アトピー性皮膚炎の症状である皮膚の乾燥と痒みが改善されたことが報告されました。
また、食用ヘンプオイルを投与された被験者は、アトピー性皮膚炎に対する皮膚薬の使用が減少したことも報告されました。
これらのことから、アトピー性皮膚炎にお悩みの方や、ステロイド薬などの副作用に悩んでいる方などは、ヘンプオイルを利用してみることをおすすめします。
PMS(月経前症候群)
ヘンプオイルは、PMS(月経前症候群)の症状を緩和する効果が期待されています。
ヘンプオイルに含まれる「γ-リノレン酸」は、「プロスタグランジンE1」の生成を促進する働きがあるとされています。
「プロスタグランジンE1」とは、生理活性物質の1つであり、生成量が低下することでPMS(月経前症候群)の症状を引き起こすと考えられています。
2011年の研究では、「γ-リノレン酸」が「プロスタグランジンE1」の生成を促進し、PMS(月経前症候群)の症状を緩和したことが報告されました。
これらのことから、PMS(月経前症候群)の倦怠感や怒りっぽくなるなどの症状を緩和したい方は、ヘンプオイルを摂取してみてはいかがでしょうか。
更年期障害
ヘンプオイルには、更年期障害の症状を緩和する効果が期待されています。
これには、ヘンプオイルに含まれる「γ-リノレン酸」が関係していると考えられています。
2011年の動物実験では、卵巣を摘出したメスのラットにヘンプの種子を投与し、更年期障害に対する有用性を比較する実験が行われました。
実験の結果、ヘンプの種子を投与されたラットは、そうでないラットに比べて、更年期障害の症状が緩和したことが報告されました。
更年期障害の症状である不安感や便秘にお悩みの方は、試しにヘンプオイルを摂取することをおすすめします。
ヘンプオイルのおすすめの摂取方法
ヘンプオイルに含まれている「オメガ3脂肪酸」などの成分は、光や熱・空気によって酸化しやすいとされています。
では、ヘンプオイルはどうやって摂取するのがいいのでしょうか?
ここでは、ヘンプオイルのおすすめの摂取方法を2つご紹介します。
そのまま摂取する
ヘンプオイルは熱に弱く、直火で加熱すると含まれている成分が酸化してしまうことが分かっています。
そのため、以下のように加熱を行わず、そのまま摂取することをおすすめします。
- スプーンでそのまま飲む
- スープに混ぜる
- サラダやパン・パスタなどにかける など
また、スープに混ぜる場合は、ヘンプオイルを事前に容器に垂らすか、火を止めた後に加えることをおすすめします。
ヘンプオイルを肌に使用する
ヘンプオイルは、食べることで摂取するだけでなく、直接肌に塗ることで使用することもできます。
具体的には、以下のように利用することをおすすめします。
- マッサージオイルとして使用する
- 化粧品に数滴ブレンドする
- 髪全体に馴染ませた後にブローする など
また、ヘンプオイルは、肌に優しいオイルと言われており、赤ちゃんのお肌のケアに使うこともできます。
これらのことから、健康や美容を改善したい方は、ヘンプオイルを上記のような方法で摂取することがおすすめです。
ヘンプオイルを購入する際の注意点
ヘンプオイルは、オンラインもしくは自然食品や輸入食品を取り扱っている店で売られている場合が多くなっています。
ここでは、そんなヘンプオイルを購入する際の注意点を2つご紹介します。
成分表を確認する
ヘンプオイルを購入する際は、成分表を確認することが重要となります。
ヘンプオイルは、CBDオイルと見た目が似ているため、パッケージのデザインだけでは見極めることが難しいです。
中には、ヘンプオイルだと思って購入したら、実はCBDオイルだったというケースもあります。
そのため、ヘンプオイルを購入する際は見た目だけで判断するのではなく、成分表示までしっかりと確認することをおすすめします。
第三者機関による検査があるか確認する
ヘンプオイルの原料となる「ヘンプ(大麻草)」には、土壌の危険物質を吸収しやすいという性質があります。
そのため、ヘンプオイルを購入する際は、第三者機関の検査があるか確認することも重要となります。
第三者機関とは、調査や評価を行う外部の中立的な組織のことで、研究所や大学などを指しています。
第三者機関では、「重金属や農薬などの危険物質が混入していないか」といった検査が行われており、客観的な安全性が保証されます。
ヘンプオイルを購入する際には、購入前に販売されているサイトや店頭などで検査済証の有無を確認し、安全性と品質を確保しましょう。
ヘンプオイルとCBDオイルはどっちがおすすめ?
ここまでの説明から、ヘンプオイルに期待される効果がお分かり頂けたと思いますが、ヘンプオイルとCBDオイルどちらを利用するのがいいのでしょうか?
結論から言うと、目的によって利用する方を選ぶことがおすすめです。
例えば、心臓病や更年期障害といった疾患に対して効果を得たい場合はヘンプオイルを利用することをおすすめします。
一方、CBDには、主にリラックスなどの効果が期待されているので、日々の生活でストレスを抱えているといった方はCBDオイルを利用することをおすすめします。
ただ、CBDオイルは摂取する際に「スポイトを利用する必要」・「CBD特有の苦味を感じやすい」といったデメリットがあります。
そのため、個人的には手軽に摂取できる「CBDカプセル」を利用することがおすすめです。
薬剤師監修のCBDカプセル「ちるねる」
今回は、「ヘンプオイルがどういったものか」ということや、「ヘンプオイルに期待される効果」・「CBDオイルとの違い」について詳しく解説しました。
ここでは、薬剤師の私が監修しているCBDカプセルの「ちるねる」をご紹介したいと思います。
1粒に高用量であるCBD100mgを配合
「ちるねる」の最も大きなポイントは、カプセル1粒当たりに「100mg」の高用量のCBDが含まれていることです。
市販のCBDカプセルの多くは、1粒当たりに20〜50mgのCBDを含んでおり、「ちるねる」の半分より少ない量のCBDしか含んでいません。
実際、「ちるねる」の利用者からは、他のCBD製品では得られない「満足感」を得ることができたという意見も聞いています。
また、ちるねるはCBDの1mg当たりの価格も「4.5円」となっており、他社のCBDカプセルに比べても非常にコスパが良くなっています。
「ちるねる」は薬剤師が監修
皆さんの中に、「粗悪なCBD製品を利用したくない…」といった方はいませんか?
あなたが、こういった考えをお持ちなら「ちるねる」は非常に魅力的な製品と言えるでしょう。
「ちるねる」は、薬剤師の私が監修したCBD製品であり、私自身が製造の過程を厳しく確認しているため、品質や安全面にも強い自信があります。
さらに、「ちるねるは」理論に基づいた用量を設定しており、初心者の方でも安心・安全に利用することができます。
実際に、その安全性や品質面の高さから、「ちるねる」は「カンナビノイド医療 患者会(PCAT)」の患者さんにも利用して頂いております。
また、通常の「ちるねる」に加えて、「ちるねる(オリーブオイルver.)」も好評発売中なので是非チェックしてみてください!
お客様の声
PCAT(カンナビノイド医療患者会)とは
おうめ薬局と薬剤師・荒川快生はCBD100mgカプセルの提供等を通じてPCAT(カンナビノイド医療患者会)の活動を応援しています。
参考文献
- Omega-3 Supplementation Lowers Inflammation and Anxiety in Medical Students: A Randomized Controlled Trial
- Formulation, Characterization and Properties of Hemp Seed Oil and Its Emulsions
- Association between dietary arginine and C-reactive protein
- Efficacy of dietary hempseed oil in patients with atopic dermatitis
- Essential fatty acids for premenstrual syndrome and their effect on prolactin and total cholesterol levels: a randomized, double blind, placebo-controlled study
- The effects of Cannabis sativa L. seed (hempseed) in the ovariectomized rat model of menopause