近年、世帯所得の減少や、女性の社会進出が進み、働く女性が増えてきました。
そのため、共働き世帯は年々増加しています。
それと同時に、宅食サービスを取り入れる家庭が増えてきました。
ところで、「宅食サービス」と聞くとみなさんはどんなイメージがありますか?
- 高そう
- 冷食だからおいしくなさそう
- 似たようなメニューで飽きそう
- 受け取りがめんどくさそう
- サービスのしくみがわかりづらい
- どれが本当に良いサービスなのかわからない
私も最初は「宅食サービスって高そう」、「冷凍食品が多いしあまりおいしくないのでは?」と思っていました。
しかし、調べていくうちに味や料金を上げずに、栄養バランスや彩りに力を入れている会社が多いことがわかりました。
この記事では、そんな宅食サービスについての疑問や魅力を解説していきます。
そして、忙しくて自炊が難しい共働きの方のチカラになる宅食サービスを薬剤師目線でご紹介します。
そもそも宅食とは
宅食とは、食事宅配サービスの略で、栄養のある食事を自宅に届けてもらえるサービスのことを指します。
主な商品は冷凍のお弁当・お惣菜、ミールキット(レシピと食材がセットになったアイテム)です。
週に1回、2週間に1回と、配送期間も指定できます。
冷凍品の商品は長期保存も可能です。
配食との違い
配食とは、病院や施設に常温のお弁当を毎日届けるサービスです。
宅食も配食もどちらも「食事を運ぶ」ことは同じですが、食品の状態や届け先など意味合いが少し違うのです。
宅食サービスの価格は?
結論、宅食サービスの価格は自炊と外食の中間くらいで意外と高くないです。
総務省の家計調査報告によると、自炊の場合は食費が1食あたり約340円かかるとされています。
宅食サービスの会社によりバラつきはありますが、1食あたり600~1000円ほどになります。
仮に毎日夕食のみ宅食にした場合、1ヶ月あたり3.6万円~6万円になります。
自炊の場合と比較して約1.5万円~約4万円の差が生まれる計算です。
自炊の場合と比べ、どうしても1食分の金額は高くなってしまいます。
しかし、宅食であれば献立を考え、買い物をし、調理をする時間を短縮することができます。
週に1~2回夕食を宅食に置き換えるだけでも、その日の家事の負担は大きく減り、時間対効果(タイムパフォーマンス)が高まると感じます。
また、一食約600円のサービスであれば、コンビニのお弁当とあまり変わらない値段で、栄養バランスの整った美味しい食事を食べられることから、費用対効果(コストパフォーマンス)に優れているとも感じています。
宅食サービスの料理は美味しい?
急速冷凍の技術が進み、冷凍食品は昔に比べて格段に美味しくなってきました。
管理栄養士や有名店のシェフが監修しているところが多く、味はもちろん栄養バランスにも配慮した料理を食べられます。
おいしいと高評価の会社も多いです!
健康に配慮している分薄めの味付けや野菜中心のメニューが多いので、成人男性がっつりした食事を望む方には少し物足りない、という声もあります。
量より質にこだわりたい方向けかもしれません。
宅食サービスは似たようなメニューばかりで飽きる?
利用者が飽きないようメニューを工夫している会社が多いです。
毎回届くのが楽しみなおまかせコースや、決まった献立の中から好きな料理を選んでいくコースなど、他社多様です。
自分の好みの味付けや苦手な食材を先に登録し、それに沿ったメニューを提案してくれるサービスもあるので、飽きずに続けやすそうです。
同じ形態の商品(スープやリゾット専門のもの)は、メニューや味ではなく「食感に飽きてくる」という意見がありました。
そんな時は主食のご飯を変えたり、薬味等をトッピングする工夫をしてみるといいかもしれません。
宅食サービスは仕組みがわかりづらい?
結論、サービスの仕組みはわかりやすいです。
宅食サービスの多くは、初回はお試しコースで注文してみて、食事の味付けが口に合えば定期購入契約する、ということができます。
それに毎回注文するよりも、定期で毎週もしくは隔週に荷物を受け取る方がお客様にとってもラクです。
休止やスキップも事前に「メール」や「電話」で連絡すればすぐに対応してくれる会社が多いので、ご自身のペースで続けることができます。
一方でこんなトラブルもあったようです。
ある口コミサイトによると、とあるサービスを「退会」したつもりが「解約」=「個別の注文取消し」扱いになっていて、年会費がまた引き落とされてしまった、なんてことも。
このようなトラブルを起こす宅食サービスをこの記事ではおすすめしていません。
ご安心ください。
気になる宅食サービスがあったときは、料理の内容だけでなく、定期購入のみなのか、休止や退会したいときはどうするのか、を先に確認することが大切です。
宅食サービスの受け取りは?
宅食サービスは、「宅配便」による配送方法が多いので、受け取りはカンタンです。
ただし曜日指定はできても日付・時間指定までは細かく設定できないので、不在が多い家庭では受け取りに注意しましょう。
鍵付き宅配ボックスを貸与してくれる会社もあるようなので、受け取りに不安のある方はどのように配送してもらえるかを確認した方がよさそうです。
おすすめの宅食サービスとは?
現在、多くの宅食サービス会社が乱立し、提供方法や提供内容などが豊富に用意されています。
そのため、お客様が求めるものによっておすすめの宅食サービスが変わります。
- 安いところがいい!
- 美味しいところがいい!
- 対応が良いところがいい!
- 多少高くても栄養バランスのとれるところがいい!
まずはご自身の中で1番譲れない点は何かを考え、それに合ったサービスを探してみましょう。
薬剤師が厳選した共働きの方におすすめの宅食サービス9選
共働き世帯に向けたおすすめの宅食サービスを、以下の種類別で紹介させていただきます。
- 初めて利用する方・なるべく早く用意したい方におすすめ
- 調理は自分でしたい・野菜を多く食べたい方におすすめ
- 特定のジャンルに特化した宅食サービスを利用したい方におすすめ
*薬剤師目線で「健康」と「価格」、「おいしさ」を重視し、読者のためになるサービスを広告しています。
初めて利用する方・なるべく早く用意したい方におすすめ
【Meals】
Mealsはレシピ動画メディア「デリッシュキッチン」がプロデュースしている宅食サービスです。
管理栄養士監修の栄養バランスのとれた野菜中心の料理が食べられます。
カロリー350kcal以下、タンパク質20g以上、糖質25g以下、塩分2.5g以下、品目数16品目以上、
野菜数120g以上と、栄養バランスに配慮しています。
いいところ
- 管理栄養士が監修しているので栄養バランスがいい
- 彩りの良い野菜が多くとれる
- 350kcal、野菜120g以上で設定されているので、ダイエット食としても使える
- コンパクトで保管しやすく、お皿タイプのトレーなので洗い物も減る
- Amazonアカウントで簡単に買える
- 入会金・年会費無料
気になるところ
- おまかせコースのみなので、自分でメニューは選べない
- ご飯(主食)は付かない
- 1食あたり約649円(1人分)
- 肉や魚が少なめ、がっつり食べたい方にはやや物足りないかも
- 送料は毎回かかる
Mealsについてもっと詳しく知りたい方はこちらから→手軽に冷凍でストック可能ですぐ食べられる【宅配弁当Meals】
【FIT FOOD HOME】
FIT FOOD HOMEは「食材や調味料を徹底的にこだわった」冷凍宅配食ブランドです。
“カラダに必要な栄養素を無駄にしたくない” という考え方の元で食事作りを行っており、調味料にまでこだわった調理方法を行っています。
低糖質、高たんぱく質、低カロリーなどカテゴリ別に商品を検索できるので、ご自身の食生活に合ったものを選ぶことができます。
いいところ
- 安心安全の国産肉、国産魚、国産野菜を使用している
- 使用している調味料の原材料も無添加
- 入会金・年会費無料
- 定期購入なら送料無料(※北海道、沖縄は別途追加送料かかる)
- 収納しやすいサイズで、そのままお皿として使用できる
気になるところ
- 都度購入は最小でも5個からの注文になる
- 都度購入は送料がかかる
- 1食あたり約730円(1人分)
- 健康に配慮しているため、味が薄めのものが多い
FIT FOOD HOMEについてもっと詳しく知りたい方はこちらから→【FIT FOOD HOME】
【DELIPICKSサブスクリプション(旧CHEFBOX)】
DELIPICKSサブスクリプション(旧CHEFBOX※2023年12月12日より変更)は、ミシュラン星付きレストラン経験のシェフが監修したDELIを楽しめます。普段自分では調理できないメニューが多く、特別な日に利用するのもおすすめです。
美しい彩りの見た目だけでなく、糖質30g以下・タンパク質平均20gと、管理栄養士のアドバイスのもと栄養バランスにもこだわって調理されております。
好みの味付けや苦手な食材、気になる栄養素を事前登録できるので、ご自身にあったDELIを注文できます。
環境に配慮した「バガス」という再生紙の容器を使用しています。
いいところ
- 味の好みや気になる栄養素を事前登録できる
- フレンチなどを含む多彩なメニューが多い
- プラス200円~でご飯(主食)を付けられる
気になるところ
- 1食あたり約886円(1人分)、ご飯付きなら約983円(1人分)とやや高め
- 送料は関東で1,089円、とやや高め
- 初回注文では都度購入はできない
DELIPICKSサブスクリプション(旧CHEFBOX)についてもっと詳しく知りたい方はこちらから→CHEFBOX
【わんまいる】
わんまいるは、国産食材100%使用、合成保存料・合成着色料無添加の手作りおかずを販売しています。
専属管理栄養士による計算された栄養バランスのもと、平均塩分3.5g以下、糖質30g以下、400kcal以下で作られています。
電子レンジは使わず、湯せん、流水解凍で出来たての美味しさを味わえます。
いいところ
- 国産食材100%使用、合成保存料・合成着色料無添加
- 使用している調味料の原材料も無添加
- 湯せん、流水解凍なので出来たてのおいしさを味わえる
- 入会金・年会費無料
- 和・洋・中のメニューが豊富で、1ヶ月の中で同じメニューはない
気になるところ
- 1食あたり約1056円(1人分) とやや高め
- 湯せん調理なので電子レンジより手間がかかる
- 自分でメニューを選べない
わんまいるについてもっと詳しく知りたい方はこちらから↓
調理は自分でしたい・野菜を多く食べたい方におすすめ
【夕食ネット】
ヨシケイの夕食ネットは、ミールキット宅配サービスの会社です。
その日に必要な食材が必要な分だけ届き、レシピを見ながら簡単に調理ができます。
おかずのみのお弁当タイプも注文できます。
いいところ
- コースの種類が多いので、自分にあった宅食サービスを選べる
- 管理栄養士が監修
- 送料・年会費無料
- 置き配、宅配ボックス対応している
気になるところ
- 再配達はできない
- ミールキットはご自身で調理する必要がある
ヨシケイの夕食ネットについてもっと詳しく知りたい方はこちらから→夕食食材宅配サービスの夕食ネット
【無農薬野菜のミレー】
ミレーは、千葉県の農村地域で”地元密着”で農家さんと一緒に、野菜を中心とした食材の宅配をしている会社です。
お子様やご家族、ご自身の健康のために農薬や化学肥料を使わない食材を使いたい人に特におすすめです。
いいところ
- 新鮮な野菜が食べられる
- 栽培方法、生産地、生産者の記載もあるので誰がどのように作っているのかわかる
- お得なポイント制度がある(定期会員のみ)
- 入会金・年会費無料
- 定期購入の申し込みや、内容変更がweb上ですぐにできる
気になるところ
- 地方の送料が高い
- 天候の影響などで、注文した野菜が入ってこないことも
- 無農薬で育てているため、形が不ぞろいなものもある
- 市販のものに比べると全体的に金額は高め
ミレーについてもっと知りたい方はこちらから→無農薬野菜のミレー
特定のジャンルに特化した宅食サービスを利用したい方におすすめ
魚が食べたい!魚料理を作ってみたいなら!
【サカナDIY】
サカナDIYは毎月旬の地魚料理キットがご自宅に届く、魚料理に特化したサービスです。
すでに調理済みの冷凍食品や、そのままの鮮魚が送られるのではなく、レシピを見ながら簡単な手順で調理できます。
旬の美味しい魚を食べたい、健康のために魚をとりたい、魚料理に挑戦したい方におすすめです。
いいところ
- 魚のプロが目利きした旬の地魚を食べられる
- 面倒な下処理はしないで、さいごのひと手間でプロの味を体験できる
- 調味料も無添加
- 入会金・月学費無料
気になるところ
- 定期購入のみ
- 好きな魚は選べない
- 海の状況でメニューが変更することもある
- 野菜などは自分で用意が必要
サカナDIYについて詳しく知りたい方はこちらから→新鮮な地魚料理のセットを毎月お届け【サカナDIY】
ダイエット食でもおいしいものが食べたいなら!
【PFC Standard】
PFC Standardは、おいしいから始めるヘルシーなカラダづくりをコンセプトにした、ヘルシーリゾットの定期購入サービスです。
管理栄養士監修のもと、低脂質・高タンパク・低カロリーのバランス栄養食品です。
健康意識はあるものの、仕事が忙しくてなかなか食生活に気を使えない方に特におすすめです。
いいところ
- 平均228kcalで、低脂質・高タンパク・低カロリー
- 栄養バランスに優れているが、味もおいしい
- 夕飯が遅い方でも罪悪感なく食べられる
- レンジで5分、または湯せんで5~7分で簡単に用意できる
- 1食あたり約755円(1人分)
気になるところ
- 定期購入プランのみで、単品購入や都度購入はできない
- 初回限定のセットは送料無料だが、2回目以降は送料がかかる
PFC Standardについてもっと詳しく知りたい方はこちらから→【PFC Standard】
特別な日など、おうちで本格パスタを味わいたいなら!
【TastyTable FOOD】
TastyTable FOODは「おうちをレストランに変える」がコンセプトで、様々な有名レストランのパスタソースを自宅で楽しめます。家族や友人と家で料理を楽しみたいときに、すぐに本格的なパスタ料理が用意できます。
自宅用としてだけでなく、プレゼント用としてご利用される方も多いようです。
いいところ
- 本格パスタを自宅で楽しめる
- ギフトにも喜ばれる
- アレンジレシピも公開されているので、パスタ以外の料理も作れる
気になるところ
- 一般のパスタソースに比べると高め(1食約450円)
- 麺や容器の用意が必要
TastyTable FOODについてもっと詳しく知りたい方はこちらから→おうちをレストランに変える食ブランド【TastyTable FOOD/テイスティーテーブルフード】
宅食サービスのメリット
1.帰宅してすぐにおいしい料理が食べられる
疲れて帰宅した時や、スーパーに間に合わず買い物できなかった時でもすぐに食事の用意ができます。
レンジでチンするだけのものや、パウチに入っているものを湯せんで温めるだけの簡単なものが多いです。容器がそのままお皿になるタイプなら、洗い物も減ります。
2.栄養バランスの良い料理を食べられる
管理栄養士が監修している商品が多いので、自分で献立を考えなくても、健康に配慮した食事をとることができます。
彩りキレイな盛り付けやおしゃれな器に入ったものも多いため、視覚的にも楽しめます。
3.自炊していた時間を他のことに使える
自炊していた時間を他のことに使えるようになります。
例えばスーパーでの買い物・調理に約1~2時間かかっていたのが、宅食サービスなら5~10分ほどで用意できます。お皿トレーに入っているタイプなら、洗い物も少なくて済むので片付けの時間も減ります。
その空いた時間で録りためていたドラマを観たり、今日の出来事について夫婦で話したりなど、他のことに活用できます。
早めに睡眠できれば、疲れが残りづらくなるので、日々の生活の質もあがります。
自炊に比べると食費の金額は高くなりますが、自分達の健康維持に役立つと考えれば、宅食サービスを検討してみるのも良いかもしれません。
宅食サービスの注意点、デメリット
宅食サービスには、いくつか注意点・デメリットもあります。
1.受け取りが可能か
帰宅時間が遅く受け取りに不安がある場合は、日時指定ができるのか。宅配BOXが設置されているのであればそこに置いてもらえるのかを確認しましょう。
手渡しのみや、再配達不可のところもあるようなので、事前の確認が大事です。
2.配送エリアがあるか
お住いの地域が配送エリアに該当しない場合もあります。また、毎回送料がかかるところもあるため、予め公式サイトやお問い合わせで確認してから申し込みしましょう。
3.冷蔵や冷凍品を保存できるスペースはあるか
冷蔵・冷凍の食材を一週間分まとめて配送されるサービスでは、それらを保管できる場所がなくてはなりません。ない場合は新たに用意する必要があります。
4.自炊よりはコストがかかってしまう
自炊に比べると、1食分の金額は高くなります。
自炊の食費が1食あたり約340円、宅食サービスが1食あたり600~1000円ほどかかるとされています。
便利な分対価も高いので、家計の負担にならない範囲で利用できる会社を選びましょう。
まとめ
宅食サービスは、自宅に栄養のある食事を届けてくれる大変便利なサービスです。
お弁当やお惣菜といった調理する手間がかからない種類もあれば、食材が揃っていて調理するだけのミールキットタイプもあります。
宅食サービスを取り入れることで家事の負担が減り、他のことに使える時間が増えます。
そして自分の時間が増えれば、生活の質向上につながるかもしれません。
メニューや価格、調理方法などを比較し、自分のライフスタイルに合った宅食サービスを選びましょう。
参考文献