【大麻グミで死亡?】大阪の製造元やHHCHの違法性を薬剤師が徹底解説

昨今、話題となっている「大麻グミ」

連日、日本では「大麻グミ」に関するニュースが数多く取り上げられていますが、一体何が起こっているのでしょうか?

本記事では、「大麻グミとは何か」ということや「大麻グミ問題の概要」について分かりやすく解説したいと思います。

本記事を読むことで、今話題の「大麻グミ問題」を全て理解できると思うので、是非最後までご覧ください。

この記事でわかること大麻グミとは何か
大麻グミ問題の概要
なぜCBDを利用するのがおすすめなのか

そもそも大麻グミとは?

昨今、ニュースなどで話題となっている「大麻グミ」ですが、そもそもどういったものなのでしょうか?

ここでは、「大麻グミはどういったものか」ということや、大麻グミに含まれる「HHCH」と呼ばれる成分について詳しく解説したいと思います。

大麻グミは「HHCH」を含んだグミ

結論から言うと、昨今話題となっている「大麻グミ」とは、「HHCH」と呼ばれる合成カンナビノイドを含んだグミ製品のことです。

合成カンナビノイドとは、大麻草に含まれる「カンナビノイド」と呼ばれる成分を化学的に合成することによって製造された人工的な成分のことです。

この「HHCH」も、大麻草に含まれる「THCH」と呼ばれる成分を化学合成(水素化)することで製造されています。

また、HHCHなどの合成カンナビノイドには、強い精神活性作用(キマる・ハイなる)があるといった特徴があり、日本でも一部の層に利用されています。

ただ、HHCHなどの合成系の成分は、安全性が分かっていないため人体に悪影響を及ぼす可能性が懸念されています。

大麻グミとCBDグミの違いを知りたい方はこちら

HHCHは指定薬物に追加されている

大麻グミに含まれる「HHCH」ですが、実は2023年の11月22日に「厚生労働省指定薬物部会」にて指定薬物に追加されました。

これにより、10日後の2023年12月2日から「HHCH」の販売や所持・使用が禁止されます。

仮に、規制後にHHCHを所持していた場合は、刑事罰に処される可能性があるため、速やかに適切な方法で処理することが必要になります。

また、今回は「HHCH」は指定薬物として規制されますが、実は日本にはHHCH以外に規制されていない合成カンナビノイドが流通しています。

代表的なものとしては、「H4CBD」が挙げられます。

この成分も、HHCHと同様に強い精神活性作用があるとされており、摂取することで人体に悪影響を与える可能性が考えられます。

健康被害を避けるためにも、これらの合成カンナビノイドの使用は避けることが無難と言えるでしょう。

今話題の大麻グミ問題の概要

ここまでの説明から、HHCHを含む「大麻グミ」がどういったものかお分かり頂けたと思います。

では、なぜ現在、「大麻グミ」が話題となっているのでしょうか?

ここでは、現在取り上げられている「大麻グミ問題」の概要を解説したいと思うので、是非チェックしてみてください。

発端は「武蔵野はらっぱ祭り」

現在話題となっている「大麻グミ問題」は、東京都の都立武蔵野公園で2023年11月4日に行われた「武蔵野はらっぱ祭り」が発端となっています。

この「武蔵野はらっぱ祭り」では、来場した成人男性が「大麻グミ」を配布し、それを食べた10〜50代の男女5人が嘔吐などの体調不良を訴え、病院に搬送されるという事件が起こりました。

捜査関係者によると、成人男性は任意聴取に「自分も食べていたし、気分が良くなるのでみんなに食べてほしかった」と説明していることが分かっています。

そして、この事件の原因となった「大麻グミ」には、「HHCH」が含まれていたことが発覚し、大麻成分であることからニュースでも大々的に取り上げられ、今日のような話題となっています。

また、最近、東京や大阪・札幌・仙台などの全国各地で「大麻グミ」を摂取した方が救急搬送されるといった事件が多発していることも「大麻グミ」が話題となっている原因であると考えられます。

現在時点では、「大麻グミ」による死亡事故は起こっていませんが、安全面を考慮し、HHCHなどの合成系を含む製品の利用は避けることをおすすめします。

大麻グミの製造元は大阪の「WWE株式会社」

今回問題となった「大麻グミ」の製造元は、大阪の「WWE株式会社」であることが分かっています。

この会社は、2023年11月20日に厚生労働省の「麻薬取締部」によって、立入検査が行われました。

その結果、問題となったグミから「HHCH」が検出され、厚生労働省は「WWE株式会社」にグミ販売の停止を命じました。

また、現在、東京や大阪などの全国の「大麻グミ」を販売している店舗にも立入検査が行われており、各店舗で「大麻グミ」の販売停止が命じられています。

ただ、立入検査が行われた店舗は一部であり、未だ「HHCH」を含んだ製品を販売している店舗もあると考えられているため、商品を購入する際は注意が必要です。

合成カンナビノイドが抱える問題

今回、「HHCH」は指定薬物として規制されますが、実は合成系に関する規制は、完全なイタチごっことなっているため、今回の規制は本質的な解決にはなっていないと言えます。

実際に過去に「THCB」など様々な合成系が規制されましたが、現在では「H4CBD」といった新しい合成系が流通しています。

また、それどころか、今後製造される「新たな合成系」によって、深刻な健康被害が引き起こされることも考えられます。

10年ほど前に流行った「脱法ハーブ」も規制後に、より危険性が高い成分が製造されたと言われています。

これらのことから、政府によって行われる規制は、危険薬物を取り締まるどころか、逆に危険薬物の製造を助長しているとも考えられます。

今後は、「THCと類似構造を持ち、人体に危険性を示す成分を全て規制する」といった先手を打った包括的な禁止措置が必要になることが予想されます。

CBDとは、大麻草に含まれる100種類以上ある「カンナビノイド成分」の1つです。

ここでは「CBDがどういった成分か」ということを簡単に解説したいと思います。

CBDは安全性が高いことが分かっている

CBDは大麻由来の成分ですが、HHCHと違い重篤な副作用が無く、安全性が高いことが分かっています。

実際に過去に行われた研究でも、CBDを摂取した被験者には重篤な副作用が見られなかったことが報告されています。

さらに、現時点でも、CBD単体を摂取した場合における「死亡事例」や「重篤な副作用」は報告されていません。

医師から処方された薬や市販の医薬品でも死亡事故が起こることを考えると、CBDの危険性は非常に低いと言えます。

ただ、CBDも過剰摂取した場合に、軽度ではありますが、眠気や胃腸症状などの副作用が起こる可能性があるので注意が必要です。

自分に合った量のCBDを摂取することで、安全にCBDを利用しましょう。

CBDは日本でも合法的に使用できる

CBDは、日本で合法的に使用できる成分であり、法律的な観点から見ても危険性はありません。

日本では精神活性作用の有無に着目して取り締まりを行っており、精神活性作用が無い「CBDのみ」であれば、所持や使用も違法ではありません。

ただ、CBDは大麻由来の成分なので、製造の過程でCBD製品に精神活性作用がある「THC」が混入する可能性もあります。

そのため、CBD製品を購入する際は、信頼できる販売業者を選ぶことや、医師や薬剤師などの専門家が商品化しているものを選ぶことが重要です。

CBD製品はカプセルタイプがおすすめ

CBDカプセルとは、CBDを溶かしたオイルをカプセルに詰めた製品のことを指します。

CBDカプセルは、一般的なカプセル状の医薬品などと同じように、水などと一緒に飲み込むことで摂取できます。

このタイプのCBD製品は、オイルやベイプなどと比べ、

  • 効果の持続時間が長い
  • 気軽に摂取できる
  • CBD独特の風味が気にならない
  • 摂取量をコントロールしやすい

といったメリットもあります。

CBDは自分とって適切な量を摂取しないと、十分な効果が得られないため、特に「摂取量をコントロールしやすい」というメリットは重要となります。

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参考文献

  • Souza, J. D. R., Pacheco, J. C., Rossi, G. N., de-Paulo, B. O., Zuardi, A. W., Guimarães, F. S., Hallak, J. E. C., Crippa, J. A., & Dos Santos, R. G. (2022). Adverse effects of oral cannabidiol: An updated systematic review of randomized controlled trials (2020–2022). Pharmaceutics, 14(12), 2598. https://doi.org/10.3390/pharmaceutics14122598

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