大麻由来の成分である「CBD」はここ数年、世界中の国々で研究が行われており、様々な疾患に対して有効性が示唆されています。
そんな中、近年日本でもCBDを用いた治療を行う病院やクリニックが増えてきています。
今回は薬剤師である私が、CBDを用いた治療を行う東京のクリニックを5つご紹介したいと思います。
それぞれのクリニックに対して、インタビュー形式でお話をお伺いしていますので、CBDを用いた治療に興味がある方には是非見て頂きたい内容となっています。
TODOKU CLINIC(トドク クリニック)

TODOKU CLINIC(トドク クリニック)は、「睡眠外来」でCBDを用いた治療を行なっているクリニックです。
TODOKU CLINICは、テレビ電話や電話でのオンライン診療も行っています。
今回は、TODOKU CLINICに「CBDを処方している患者様の特徴」や、「CBDを治療に用いる際の流れ」などについてお話を伺いました。
特に、睡眠に対して悩みを抱えている方は是非最後までご覧ください!
クリニックの概要
医院名 | TODOKU CLINIC 東京本院 |
CBDの治療を行う診療科目 | 睡眠外来 |
所在地 | 東京都中央区銀座7-8-7 GINZA GREEN 4F |
診療時間 | 土曜・平日(水曜日を除く)11:00~14:00,15:00~20:00 日曜・祝日 11:00~14:00,15:00~19:00 |
電話番号 | 0120-010-109 |
HP(ホームページ) | https://todocli.jp/ |
取り扱っているCBD製品の名前と特徴

Q . どういったCBD製品を取り扱っていますか?
当院では、当院オリジナルの医師監修CBDオイル(製品名:TODOKU CBD OIL)を取り扱っています。
原材料はスイス産のヘンプで、ヨーロッパ諸国の中でも審査基準の厳しい「BIO SUISSE(ビオ スイス)認証」をクリアしたヘンプから抽出された、高品質のCBDを使用しています。
CBD濃度は10%、20%、30%と3種類をご用意しており、いずれもCBNやCBGなどの成分を含有しているブロードスペクトラム製品となっています。
CBD製品を開発した理由や経緯
Q . CBD製品を開発した理由や経緯を教えてください。
当院が取り扱いを始めた理由は、「睡眠」や「精神的な不安」を抱えている患者様に、薬物療法以外の治療法を提供したかったからです。
睡眠薬および抗精神薬には、依存性の高いものもあり、これらの治療を受けることに抵抗を感じる患者様は少なくありません。
もちろんCBDが睡眠薬などと全く同等の効果があるとまでは言えませんが、「睡眠導入作用」や「リラックス作用」などの効果は期待が持てるため、代替療法として取り扱いを始めました。
CBDを処方している患者様の特徴
Q . どのような患者様にCBDを処方、またはおすすめしていますか?
当院では「不眠や夜間の中途覚醒などでお悩み」かつ、「薬物療法への抵抗がある」患者様を対象として処方をしています。
ただし、深刻な「不安障害」「抑うつ障害」「睡眠障害」をお持ちの方、またはそれらに類する疾患により既に医師から治療薬を処方されている方には、まずはかかりつけ医での診療をお受けいただくよう推奨しています。
CBDを治療に用いる際の流れ
Q . CBDを実際に治療に用いる際はどのような流れで行われますか?
当院は、以下のような3つの流れで治療を行なっております。
1:ご予約が確定した後、当院の「CBD治療に関するご説明の動画」を必ずご視聴いただきます。
2:初診時に、患者様の症状や既往歴を把握するためにカウンセリングおよび診察を行い、CBDオイルの処方を決定します。
3:治療開始後は治療効果を確認しつつ、必要に応じてCBD濃度の変更をします。
動画視聴にてCBDへの理解を深めていただき、詳細な問診、医師の診察を経て「CBDでケアできる状態か」、「薬物療法を最優先すべき状況か」を見極めます。
そして、詳細な問診などをもとに、患者様に最適なCBDオイルの濃度と使用方法を提案させて頂きます。
ナチュラルアートクリニック

ナチュラルアートクリニックは、CBDが日本で普及していなかった2014年からCBDを用いた治療を行なっているクリニックです。
今回は、ナチュラルアートクリニックの院長である御川安仁先生に「CBD製品を取り扱い始めた経緯」や、「CBDを治療に用いる際の流れ」などについてお話を伺いました。
また、「CBDに関する今後の展望」についてもお話を伺っているので、興味がある方は是非最後までご覧ください。

御川安仁先生
クリニックの概要
医院名 | 医療法人ふたまた会 ナチュラルアート クリニック |
CBDの治療を行う診療科目 | 統合医療・栄養療法など |
所在地 | 東京都千代田区六番町6-5 アンドロイドビル2F |
診療時間 | 平日(月曜日を除く)10:00~13:00,15:00~19:00 土曜 10:00~12:30,14:00~16:00 |
電話番号 | 03-6256-8448 |
HP(ホームページ) | https://naturalartclinic.com/ |
取り扱っているCBD製品の名前と特徴

Q . どういったCBD製品を取り扱っていますか?
以下のような多種多様なCBD製品を取り扱っており、症状によって使い分けを行なっています。
<CBDオイル>
・水溶性Nano CBDチンキ(HIMIKO ORGANICS)
適応症状:入眠障害、不安障害
・RICH CBD 3000(ENDOCA、臨床CBDオイル研究会)
適応症状:がん治療、痛み
・CBD+CBG某大学病院院内製剤
適応症状:炎症性疾患
・CBD+CBDa+CBN米国製製品
適応症状:不安症状、パニック症状、不眠症
<CBDクリーム>
適応症状:皮膚症状
<CBDバーム>
適応症状:皮膚、関節症状など
<Nano CBDロールオン>
適応症状:関節痛などの疼痛性症状
CBD製品を取り扱い始めた経緯
Q . CBD製品を取り扱い始めた経緯を教えてください。
2013年、私が救急医として働いているときに初めてCBDや大麻が医療で利用できることを知り、勉強を始めました。
そんな中、2014年にオーストラリアで開催された医療大麻の学会にたまたま参加することができました。
そこで、参加した患者さんからお話を聞くことができ、CBDや医療大麻が様々な疾患に対して有効であることを実感しました。
帰国後、早速CBD製品の取り扱いを始め、パニック障害を患う患者さんに対して処方を行いました。
CBDを処方している患者様の特徴
Q . どのような患者様にCBDを処方、またはおすすめしていますか?
当院では、主に「慢性疲労」・「うつ」・「パニック障害」・「アレルギー」・「がん」・「痛み」を患う患者様に対してCBDを処方しています。
ただ、必ずしも全員にCBDを処方するのではなく、栄養療法などの基本的な治療を行う中で、CBDによる治療が必要な患者様にのみCBDを処方しています。
CBDを治療に用いる際の流れ
Q . CBDを実際に治療に用いる際はどのような流れで行われますか?
当院では、どんな症状をお持ちの方でも必ず、採血など症状に合った検査を行います。
検査後、ベーシックな栄養療法などを1ヶ月〜2ヶ月行い、その中で、CBDによる治療をした方が良いと判断した患者様には通常の治療に加えてCBDも処方します。
同じ症状でも発症の原因が異なり、原因によってはCBDによる治療が最適でない場合があるため、こういった治療の流れを取っています。
CBDに関する今後展望
Q . CBDに関する今後の展望を教えてください。
私は日常生活の中で、体の不調を感じた場合、CBDオイルを利用しています。
肩が痛いと感じたらCBDオイルを肩に塗りますし、中耳炎かなと思ったら、耳にCBDオイルを垂らしたりします。
CBDは様々な症状に対して利用できるので、今後は一家に1本「CBDオイル」といったように、オールマイティーにCBDが利用される世の中になればいいと考えています。
ティーアイクリニック

ティーアイクリニックは、「美容皮膚科」でCBDを用いた治療を行なっているクリニックです。
今回は、ティーアイクリニックに「取り扱っているCBD製品」や「CBD製品を開発した理由や経緯」などについてお話を伺いました。
美容に対してCBDを利用したいと考えている方は是非最後までご覧ください。
クリニックの概要
医院名 | 医療法人社団一信会 ティーアイクリニック |
CBDの治療を行う診療科目 | 美容皮膚科 |
所在地 | 東京都港区北青山3丁目5−17 はる木ビル 4F |
診療時間 | 月曜、水曜~土曜 11:00 ~ 20:00 |
電話番号 | 0120-18-9270 |
HP(ホームページ) | https://www.ticlinic.com/ |
取り扱っているCBD製品の名前と特徴

Q . どういったCBD製品を取り扱っていますか?
当院では、以下のようなオリジナルのCBD製品を取り扱っています。
- TICローション
- CBDフェイスマスク
- CBDピュアスキンジェル
- CBD生理痛用ジェル
特に、「TICローション」は、「ニキビ肌で困っている方」や「肌の乾燥やかゆみのある方」におすすめのCBD製品となっています。
この製品は「体感+肌に優しい」をコンセプトに開発しており、欧州にてオーガニック認証をうけたCBDを使用しているといった特徴があります。
CBD製品を開発した理由や経緯
Q . CBD製品を開発した理由や経緯を教えてください。
CBDは副作用がなく安全性が高いのにも関わらず、ステロイドと同じように「抗炎症作用」があるといった特徴があります。
当院は、このCBDの特徴が美容に対して有効だと考え、「ローション」や「フェイスマスク」などのCBD製品を開発しました。
また、「CBD生理痛用ジェル」も開発しており、生理痛にお悩みの方に対して販売しております。
CBDを処方している患者様の特徴
Q . どのような患者様にCBDを処方・おすすめしていますか?
当院では、特に肌荒れがひどい患者様に対してCBDを処方しています。
また、肌の保湿を行いたい患者様に対してもCBDの利用をおすすめしています。
東京原宿クリニック

東京原宿クリニックは、「内科」でCBDを用いた治療を行なっているクリニックです。
今回は、東京原宿クリニックに「CBDを処方している患者様の特徴」や、「CBDを治療に用いる際の流れ」などについてお話を伺いました。
クリニックの概要
医院名 | 東京原宿クリニック |
CBDの治療を行う診療科目 | 内科 |
所在地 | 東京都渋谷区神宮前6丁目29−3 原宿Kyビル 10階 |
診療時間 | 火曜~金曜 10:00 ~ 13:00, 14:00 ~ 17:00 |
電話番号 | 03-5962-7570 |
HP(ホームページ) | https://th-clinic.com/ |
取り扱っているCBD製品について

Q . どういったCBD製品を取り扱っていますか?
当院では、臨床CBDオイル協会のCBDオイルを取り扱っています。
CBD製品を取り扱い始めた理由や経緯
Q . CBD製品を取り扱い始めた理由や経緯を教えてください。
当院は、CBDが鎮痛や睡眠障害の改善に有効だと考え、CBD製品の取り扱いを始めました。
また、CBDが安全性が高い成分であることもCBD製品を取り扱い始めた理由の1つです。
CBDを処方している患者様の特徴
Q . どのような患者様にCBDを処方、またはおすすめしていますか?
主に「不眠症」や「疲労症」、「不安神経症」を患っている患者様に処方しております。
CBDを治療に用いる際の流れ
Q . CBDを実際に治療に用いる際はどのような流れで行われますか?
当院は、以下のような3つの流れで治療を行なっております。
1.初回診察時に、自費診療で患者様の症状や既往歴を詳細に把握するための問診と診察を行います。
2.CBD治療を開始する際には、使用方法や期待される効果、副作用について丁寧に説明し、個別に調整した治療計画を立てます。
3.治療開始後は治療効果を確認しつつ、必要に応じて治療内容を変更します。
CBDを活用した診療おける特徴
Q . CBDを活用した診療において特徴があれば教えてください。
当院は、CBDだけで治療しているというよりは、栄養療法(サプリメントや食事改善)の一環でCBDオイルを使っています。
田園調布長田整形外科

田園調布長田整形外科は「内科」・「整形外科」・「リハビリテーション科」などの幅広い診療科目でCBDを用いた治療を行っているクリニックです。
今回は、田園調布長田整形外科の長田優香先生に「CBDを処方している患者様の特徴」や、「CBDを治療に用いる際の流れ」などについてお話を伺いました。

長田優香先生
クリニックの概要
医院名 | 田園調布長田整形外科 |
CBDの治療を行う診療科目 | 内科、整形外科、リハビリテーション科 |
所在地 | 東京都大田区田園調布2-41-2 NTT田園調布ビル1F |
診療時間 | 平日(木曜日を除く):9:00〜12:30、15:00〜18:30 土曜:9:00〜13:00 日曜:10:00~13:00(月に1度のみ) ※第1土曜は午後12:30まで受付、第2・3・4・5土曜は午後13:00まで受付 ※初診または新たなご病状の方は、上記の30分前までの受付となります。 |
電話番号 | 03-5483-7070 |
HP(ホームページ) | https://osada-seikei.com/ |
取り扱っている製品について

Q . どういったCBD製品を取り扱っていますか?
当院では、
- 臨床CBDオイル研究会のカンナビノイド製品
- カンナビノイド医療患者会(PCAT)取扱のカンナビノイド製品
など複数のブランドの製品の取り扱いをしています。
CBD製品を取り扱い始めた理由や経緯
Q . CBD製品を取り扱い始めた理由や経緯を教えてください。
私は元々、脳血管障害後遺症や先天性障害の患者様をケアする中で、「植物療法」・「自然療法」・「代替補完療法」に興味を持ち、学んでいました。
そんな中、2013年のCNNニュースで医療大麻を用いた少女の治療事例を知り、カンナビノイドに関心を持つようになります。その後、自身で書籍や動画で情報を収集するうちに、CBDや医療大麻の可能性に強く惹かれるようになりました。
当時の日本ではCBD製品が一般的ではなく、臨床での活用も難しい状況でしたが、2018年頃から医療用途のCBD製品を扱う業者の方々と接点を持つ機会が増え、国内でも徐々に認知が広がっていることを実感しました。
その後、安全性や品質が安定した製品が市場に出回るようになり、臨床の現場でもCBD製品を取り入れることを決めました。
CBDを処方している患者様の特徴
Q . どのような患者様にCBDを処方・おすすめしていますか?
当院では、以下のような症状を抱える患者様に対してCBDを処方しています。
- 慢性的な肌荒れ
- 睡眠の不調
- うつ傾向
- 不安や感情の不安定さ
- 痛み
また、自然療法や代替補完療法を希望する方に対しても、CBDという選択肢をおすすめすることがあります。
当院では、どのような症状に対してもCBDが適応となる可能性があると考えており、患者様一人ひとりの状態に合わせた提案を心がけています。
加えて、希望される方には、適切な量やタイミングについての相談も行い、より効果的な活用方法もご提案しています。
CBDを治療に用いる際の流れ
Q . CBDを実際に治療に用いる際はどのような流れで行われますか?
当院では、診察、ご相談の際に希望に応じて、「内因性カンナビノイド系、CBD製品がどういったものなのか」を分かりやすくお話します。
各種検査(血液検査・MRI検査・心電図・骨密度など)を行うこともあります。
その上で「カンナビノイド製品を利用する場合の諸注意」・「処方薬との併用」・「使用量・頻度に関するアドバイス」をさせていただきます。
カンナビノイドの効果発現には、20倍の個体差があるという報告もあるため、特に使用量については比較的細やかにアウトラインをアドバイスしています。
CBDに対する考え
Q . 長田優香先生のCBDに対する考えを教えてください。
CBDは病名の有無にかかわらず、健やかに生きるための1つの選択肢です。
CBDを取り入れることで、凝り固まった考えや感情のクセが緩み、心にゆとりが生まれ、自分自身の反応が変わっていくことがあります。
その結果、行動のパフォーマンスや自己肯定感が向上し、人生に良い変化が訪れるかもしれません。
CBDは既にセルフケアの1つとして誰もが取り入れられるものですが、不安を煽るような情報に触れることで、その可能性を見逃してしまうこともあります。
私たちは、CBDに関する正確で良質な情報を発信し続けることで、皆様が安心して適切に活用できる環境を整えていきたいと考えています。