CBDクリームの効果・効能とは?痛み止めに使える?薬剤師が徹底解説

世界中で注目を集めている「CBD」は大麻草由来の成分でありながら、国内外で多くの製品に利用されるようになっています。

その広がりはオイルやベイプといった一般的なアイテムにとどまらず、近年では肌に直接塗ることができる「CBDクリーム」にも広がりを見せています。

本記事では、そんな「CBDクリームに期待できる効果」について詳しく解説いたします。

後半では、CBDクリームの「おすすめの使い方」・「選ぶ際のポイント」についても解説しているので、気になった方はぜひチェックしてください。

この記事で分かること CBDクリームに期待できる効果
CBDクリームのおすすめの使い方
CBDクリームを選ぶ際のポイント

CBDクリームとは?

CBDクリームとは、CBDが配合されているクリーム状の製品のことです。

ここでは、そんなCBDやCBDクリームについて解説したいと思います。

そもそもCBDとは?

CBD

CBD(カンナビジオール)は、大麻草に含まれている「カンナビノイド」と呼ばれる天然成分のひとつです。

これまでの研究により、CBDには以下のような様々な効果が期待されています。

  • 睡眠の質の改善
  • リラックス効果
  • ストレス緩和
  • 禁煙効果
  • 抗炎症作用
  • 抗酸化作用
  • 鎮痛作用
  • 抗菌作用

法律上の位置づけとしては、CBD自体は合法であり、利用や所持をしたとしても逮捕されることはありません。

また、1980年の臨床研究やWHO(世界保健機関)による報告などにより、CBDは高い安全性が認められており、重篤な副作用や中毒性はないと考えられています。

なお、いわゆる「ハイになる」といった精神活性作用をもたらすのは、「THC」という別の成分であり、CBDとは全く異なる成分です。

CBDの効果について詳しくはこちら

CBDクリームの特徴

CBDクリームは肌に直接塗って使用する外用タイプの製品で、塗布した部位に限定して作用するのが特徴的です。

全身に影響を及ぼすオイルやベイプ製品とは異なり、気になる箇所にピンポイントで使えるため、CBD初心者にも取り入れやすい形式となっています。

また、一般的なクリームと同様に、ベタつきにくく肌なじみがよいテクスチャーが多く、日常使いしやすいのも魅力のひとつです。

CBDクリームの効果時間

CBDクリーム

CBD製品は、摂取方法ごとに「効果の持続時間」と「効果が出るまでの時間」が異なっています。

CBDクリームは「経皮摂取」と呼ばれる方法で摂取できます。

経皮摂取の効果の持続時間は、4〜6時間前後であると言われており、他の摂取方法に比べて、長時間効果を実感できます。

また、効果が出るまでの時間は、30分〜2時間前後と他の摂取方法に比べて長い時間が必要となります。

他のCBD製品の効果時間はこちら

CBDクリームに期待できる効果とは?

結論から言うと、CBDクリームを皮膚に塗布することで、以下のようなCBDの効果が期待できます。

  • 痛みや炎症の緩和
  • ニキビ跡の改善
  • 体のこりの解消
  • 保湿作用
  • 紫外線による皮膚ダメージの軽減

ここでは、CBDを皮膚に塗布することで期待できる効果をエビデンスを基に解説したいと思います。

痛みや炎症の緩和

関節炎

CBDを皮膚に塗布することで、痛みや炎症を緩和する効果が期待されています。

2016年のアメリカ・ケンタッキー大学のチームによって行われた研究では、関節炎モデルにおけるCBDの経皮投与実験が行われました。

この実験では、関節炎を誘導されたラットを対象に、CBDを皮膚に塗布することで痛みや炎症がどのように変化するかが検証されました。

研究では、CBDを含むジェルを4日間継続して塗布したところ、関節の腫れや痛みのスコアが明らかに軽減され、炎症に関与するマーカー(CGRP、TNFα)の減少も確認されました。

こうした結果から、CBDは経皮摂取という形でも一定の血中濃度を保ちながら、安全性を維持しつつ、炎症や痛みの緩和に寄与する可能性があると示唆されました。

ニキビ跡の改善

ニキビが治った後でも、まれに赤みや色素沈着、あるいはクレーター状の凹みが肌に残り、「ニキビ跡(瘢痕)」として長く残ってしまうことがあります。

こうした肌トラブルに対して、CBDの使用が有効である可能性が過去の研究で示唆されています。

イタリアで実施された研究では、ニキビやアトピーなどの皮膚の痕跡を持つ患者に対してCBDを含む軟膏を継続的に塗布し、その後の肌の変化を観察しました。

その結果、使用前と比較して、傷跡の軽減や消失といった改善が見られたことが報告されました。

さらにこの試験では、CBD軟膏を使用した被験者の肌において、保湿機能や弾力性が明確に向上したことも明らかになっています。

このような研究結果は、CBDがニキビ跡などの皮膚の悩みに対して新たな選択肢となりうる可能性を示唆しており、今後のさらなる臨床応用が期待されています。

体のこりの解消

体のコリ

CBDは過去の調査から、人体に塗布することで「体のこりを改善する効果」が期待されされています。

実際に株式会社ウェルファーマが実施した調査では、肩や首のこりに悩む男女19名を対象に、CBDを1%含有したクリームを用いた検証が行われました。

参加者は5日間にわたって患部にCBDクリームを塗布し、その後アンケートに回答しました。

その結果、68.4%の被験者が「肩や首のこりが大きく軽減した」または「ある程度軽減した」と感じたと回答し、残りの31.6%も「多少軽減した」と答えるなど、全体としてポジティブな傾向が見られました。

現在では、慢性的な体のこりに悩んでいる方は、CBDを利用してみてもいいかもしれません。

保湿作用

CBDは、これまでの研究や調査において肌のうるおいを保つ働きがあることが示唆されており、保湿成分としての可能性が注目されています。

例えば、2021年に発表されたある論文では、CBDを含んだ溶液をマウスの皮膚に塗布したところ、塗布していない部位に比べて水分量が約1.3倍に増加したという結果が報告されました。

また、過去に行われた調査でも、CBDクリームを利用した47.7%が保湿効果を実感したことも報告されています。

こうした背景から、保湿ケアを重視したい方や肌のコンディションを整えたい方にとって、CBD配合の製品は検討する価値のある選択肢の1つといえるでしょう。

紫外線による皮膚ダメージの軽減

CBDクリームを皮膚に利用する女性

CBDは過去の研究から、紫外線による皮膚ダメージを軽減する可能性があることが示唆されています。

2022年にアメリカで実施されたヒトを対象とした研究では、CBDがUV-Aによる肌へのダメージをどの程度防げるのかが検証されました。

この研究では、19名の参加者が2週間にわたり、CBDクリームまたはプラセボクリームを体に塗布し、その後UV-Aを照射して皮膚の反応や細胞レベルでのダメージが調べられました。

その結果、CBDクリームを塗った皮膚の方が、赤みや表皮の過剰な増殖が少なかったことが確認されました。

さらに、DNA損傷やミトコンドリア変異といった紫外線由来の細胞変化もCBDによって抑制されたという結果が出ています。

この研究はまだ小規模ではあるものの、CBDが肌を紫外線から守る可能性を示した初のヒト試験として注目されています。

CBDクリームのおすすめの使い方

ここまでの説明から、CBDクリームに期待できる5つの効果がお分かりいただけたと思います。

ここでは、部位別のCBDクリームのおすすめの使い方をご紹介したいと思います。

顔に使う場合

CBDクリームを顔に使うときは少量でも十分な効果が期待できるため、使用量はパール粒大を目安にしましょう。

まずは、清潔な手でクリームを取り、顔の中心から外側に向かってやさしくなじませていきます。

塗る順番としては、額 → 頬 → あごの順に各部位を10〜15秒ほどかけて、指の腹で円を描くようにやさしくマッサージするのがポイントです。乾燥が気になる部分には、重ね塗りしても問題ありません。

使用の際は目元や口元など皮膚が薄い部分は避けるようにしましょう。また、力を入れすぎず、やさしくなじませるよう意識することも大切です。

体に使う場合

CBDクリームを体に利用する女性

CBDクリームを体に使う場合は、手のひら1枚分の範囲に対して、1〜2cmほどの量を目安に使用しましょう。乾燥やこりが気になる部位には、たっぷり塗布してかまいません。

まず、手のひらでクリームを軽く温めてから、円を描くようにやさしく塗り広げていきます。マッサージする際は筋肉の流れに沿って、心臓に向かってやさしくなじませるのがポイントです。

特にこりや張りが気になる部分には、3〜5分ほどかけてゆっくりマッサージすると、よりリラックス効果が得られます。

使用のタイミングとしては、お風呂上がりの温まった体や、就寝前のリラックスタイムに取り入れるのがおすすめです。

CBDクリームを選ぶ際のポイント

ここでは、CBDクリームを選ぶ際のポイントをご紹介したいと思います。

①肌の悩みに合わせて含有成分をチェックする

乾燥、肌荒れ、年齢サインなど、肌の悩みは人それぞれ異なります。

CBDクリームを選ぶ際は、CBD以外にどんな美容・保湿成分が含まれているかをチェックすることで、より効果的なケアが期待できます。

乾燥が気になる方は、セラミドやヒアルロン酸、スクワランなど、肌のうるおいを守る成分が入っているものを選びましょう。

肌荒れが気になる方には、アラントインやグリチルリチン酸ジカリウムなど、肌を落ち着かせる成分が頼りになります。

また、エイジングケアを重視したい方には、ビタミンC誘導体やナイアシンアミド、レチノールなどのハリ・透明感をサポートする成分がおすすめです。

CBDクリームは単なる保湿アイテムではなく、配合成分によってさまざまな肌悩みにアプローチできるアイテムです。自分の肌の状態に合わせて、成分を意識して選んでみましょう。

②使用感に合わせてテクスチャータイプを選ぶ

CBDクリームのティンクチャー

CBDクリームに興味があっても、「ベタつきが気になりそう…」と感じている方もいるのではないでしょうか?

そんなときは、テクスチャーの違いに注目して、自分に合ったタイプを選ぶことがポイントです。

ジェルタイプはさらっと軽い使い心地が特徴で、肌にスッとなじみやすく、ベタつきが苦手な方や、日中の使用におすすめです。

一方、クリームタイプはこっくりとした質感でしっかりとした保湿力を求める方に最適です。

乾燥が気になる部位にしっかりなじませることで、肌をしっとり整えてくれます。就寝前のケアやマッサージにもぴったりです。

どちらのタイプも使いやすく、肌質やライフスタイルに合わせて選ぶことで、より快適にCBDのスキンケア効果を実感することができます。自分に合った心地よい使用感で、毎日のケアを楽しみましょう

③敏感肌の人は無添加や低刺激処方のものを選ぶ

敏感肌の方にとって新しいスキンケアを試すことは不安も多く、CBDクリームを選ぶ際にも、肌へのやさしさを重視したいところです。

そんなときは、パラベンや合成香料、人工着色料、アルコール、鉱物油など刺激になりやすい成分を避け、無添加や低刺激処方と表示されている製品を選ぶのが安心です。

「敏感肌用」や「アレルギーテスト済み」といった記載もチェックポイントとなり、さらにアロエベラやカモミール、シアバター、ビタミンEなど、肌をやさしく整える保湿成分が含まれていると、毎日のスキンケアにも取り入れやすくなります。

CBDクリームは、目的や肌状態に応じてCBD濃度も様々なので、自分の肌に合った処方と質感を選び、心地よく使い続けられるアイテムを見つけてみましょう。

④筋肉や関節の痛みには濃度の高いCBDクリームを選ぶ

筋肉や関節の痛みに対しては、CBDの濃度が高いクリームを選ぶことが効果的とされています。

例えば、ひどい筋肉痛や慢性的な関節痛には1000mg/30ml以上の高濃度タイプがおすすめで、バニリルブチルなどの温感成分が配合されているものを選ぶと、さらに心地よいケアが可能です。

一方で、日常的な肩こりや腰の重さには500mg/30ml程度スポーツ後の軽い疲労感には250mg/30ml程度のCBD濃度でも十分にアプローチでき、清涼感や保湿力のある成分が含まれているタイプを選ぶことで、より快適に使えます。

初めてCBDクリームを試す方は、無理に高濃度から始めず、まずは自分の症状に合った濃度を選ぶことが大切です。

【参考文献】

>おうめ薬局は、あなたのかかりつけ薬局です!

おうめ薬局は、あなたのかかりつけ薬局です!

おうめ薬局は、かかりつけ薬局としてあなたの笑顔と健康を「おくすり」でお手伝い致します。 健康相談、お薬のご相談もお受け致します。
他の薬局のお薬も、おうめ薬局でまとめて調剤できます。

CTR IMG