近年、大麻成分の1つである「CBN」は医療・美容など様々な業界から注目を集めており、日本でもオイルやベイプなどとして販売されています。
そんな「CBN」は「キマる」・「ハイになる」・「ブリブリになる」といった噂を聞くことが増えてきています。
今回は薬剤師である私が、「CBNはキマる・ブリブリ・ハイになるのか」ということを解説したいと思います。
そもそもCBNとは?
CBNとは、Cannabinolの略称であり、CBDと同じく大麻草に含まれる「カンナビノイド成分」の1つです。
CBNは、CBDと違い安全性に対する研究が十分ではなく、現段階では人体に対する安全性は明らかになっていません。
ただ、カナダの企業による動物実験では、CBNが「中枢神経」に対して有害事象が引き起こされなかったことが報告されており、安全性が高いのではないかと考えられています。
CBNはキマる?ブリブリ・ハイになる?リキッドは?
CBNが大麻草に含まれる成分であることから、CBNを含んだリキッド製品などを利用すると「キマったり、ハイになったりするのでは?」と考える人は多いのではないでしょうか?
実際にネット上で、CBNと検索すると「キマる」・「ハイになる」・「ブリブリ」などの言葉が出てきます。
ここでは、リキッド製品などでCBNを摂取すると「キマる」・「ハイなる」・「ブリブリなる」のかどうかを解説したいと思いますので、気になった方は是非チェックしてみてください。
CBNでキマる・ハイになる・ブリブリになることは無い

そもそも「キマる」・「ハイになる」・「ブリブリになる」という言葉は、危険薬物などを摂取した際に起こる「陶酔作用(強い精神活性作用)」を意味します。
大麻成分の中で、このような「陶酔作用」を引き起こす成分として「THC(テトラヒドロカンナビノール)」が挙げられます。
CBNは「THC」が酸化・分解されることで形成されますが、THCのような「キマる」・「ハイなる」・「ブリブリになる」といった「陶酔作用」を引き起こさないと考えられています。
実際に、1975年に行われた研究の中でも、CBNにはTHCのような「陶酔作用」がないことが結論づけられています。
ただ、CBNも弱い精神活性作用があるとされており、一部ではTHCの約10分の1の精神活性作用を引き起こすと言われています。
CBNでTHCのようにキマったりしない理由
CBNの元となる「THC」は、脳にあるCB1受容体に「アゴニスト(活性化物質)」として作用することで、「キマる・ブリブリ・ハイになる」といった陶酔作用を起こすと考えられています。
CB1受容体とは、脳や脊髄などの中枢神経に分布している受容体で、「カンナビノイド」が結合することから「大麻受容体」と呼ばれています。
CBNもCB1受容体に「アゴニスト」として作用するため、人体に対して精神活性作用を引き起こすとされています。
ただ、THCと違い、CBNはCB1受容体に部分的にしか結合できないため、上記でも説明したように精神活性作用はTHCと比べて弱いと考えられています。
そのため、アメリカではCBNは、THCのような「キマる・ハイになる・ブリブリ」といった陶酔作用はありませんが、CBD以上の精神作用があると考えられています。
CBNでキマる・ブリブリ・ハイになると言われている理由
CBNで「キマる」・「ハイになる」・「ブリブリになる」と言われている理由としては、以下の2つが考えられます。
- 元となる成分がTHCだから
- CB1への結合親和性がTHCの1/4であるという論文が発表されているから
まず、1つ目についてですが、CBNの元なる成分が「THC」であるため、THCと同様の陶酔作用があると誤認されていることが考えられます。
次に2つ目についてですが、1997年の論文にて、CBNはCB1受容体に対してTHCの1/4の結合親和性があるという発表が行われたことが理由として考えられます。
この発表から、CBNにはTHCの1/4の陶酔作用があると勘違いしてしまい、CBNで「キマる」・「ハイになる」・「ブリブリになる」と思う人が一定数いると考えられます。
ただ、実はカンナビノイドのCB1受容体に対する結合親和性の高さと陶酔作用の有無には関係ありません。
そのため、CB1受容体に対する結合親和性が高いからといって、「ハイになったり」・「キマったり」することはないのです。
新発売!CBNカプセル「ゆめり」

本記事では、「CBNはキマる・ブリブリ・ハイになるのか」ということを解説しました。
CBNは摂取したとしても、「キマる・ブリブリになる」「ハイになる」ということは無いことがお分かりいただけたと思います。
ここでは、薬剤師の私が製品化したカプセルタイプのCBN製品「ゆめり」をご紹介したいと思います。
厳しいTHC基準をクリア
「ゆめり」には、THC基準を満たした安全性の高いCBN原料のみを採用。
国際的に信頼される検査機関「KCA Laboratories LLC」による分析を受け、COA(分析証明書)によって基準をクリアしていることが確認されています。
ちなみに、利用している原料は日本で唯一、「トレーサビリティ」を確保。薬剤師である私自身が、現地で農場を運営する法人に直接確認し、原料の安全性と信頼性を確保しています。
日本臨床カンナビノイド学会の認定薬剤師が監修
「ゆめり」は、日本臨床カンナビノイド学会に所属する薬剤師である私が監修しています。
理論に基づいた用量設計を行っているため、初めてCBNを試す方でも安心してご利用いただけます。
また、製造は国内の厳格な品質基準を満たした工場で行っています。私自身が製造現場に足を運び、カプセルの重量や硬度、大腸菌や有害成分の有無、食品成分の検査まで細かく確認し、安全性を徹底的に確保しています。
「初めてで不安な方」や「信頼できるカプセルを選びたい方」にこそ、自信をもっておすすめできる製品です。
1粒に100mgのCBNを配合
「ゆめり」には、1粒あたりCBNを100mg配合しています。加えて、脂溶性のCBNと相性が良いエキストラバージンオリーブオイルを使用しています。
このオイルはオリーブ果汁を搾った直後に製品化され、化学処理を一切施していないため、自然で栄養価が高いのが特徴です。
オレイン酸・ビタミンE・ポリフェノールといった成分が豊富に含まれており、CBNの吸収を助けると言われています。
CBNは違法性がある?
ここまでの説明から、CBNには弱い精神活性作用があるが、THCのような「キマる」・「ハイになる」・「ブリブリになる」といった陶酔作用がないことがお分かり頂けたと思います。
ここでは、そんな「CBN」に「違法性があるのか」ということを解説したいと思います。
CBNには違法性はない
CBNの元となるTHCは、「陶酔作用・乱用性」があることから「精神依存、耐性」がついてしまうとされており、日本を含めた東アジアの国々や中国では違法成分として扱われています。
このようなことから、「THCから形成されるCBNも違法なのでは?」と考える方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、CBNは現在日本では合法で使用できます。
そのため、CBNを含む製品を「所持・使用・譲渡」したとしても、THCと違い逮捕される可能性はありません。
ただ、最近では「THCから形成される成分かつ、弱い精神活性作用もある」ため、「CBNもいつか違法になるのではないか」と噂されています。
大麻使用罪の影響を受ける可能性がある

現段階では合法の「CBN」ですが、「大麻使用罪」の影響を受ける可能性が危惧されています。
大麻使用罪とは、「大麻取締法」と違い、THC成分の使用自体に罰則を与える法律のことです。
CBNが大麻使用罪の影響を受ける可能性がある理由としては、CBNを高用量を摂取した場合に薬物検査においてTHCの陽性反応を示す場合があるからです。
実際に2020年の研究でも、高濃度のCBNを摂取した場合に、THCの薬物検査で陽性反応を示すことが報告されています。
そのため、CBN製品を多量に摂取した場合、尿検査(イノムアッセイ)で陽性になり、有罪となる可能性もゼロではありません。

顧問弁護士

日比野 大
東京弁護士会所属
第49302号
参考文献
- Cannabinol 101: The Science of Cannabinol (CBN)
- Effects of delta9-tetrahydrocannabinol and cannabinol in man
- Evaluation of Phytocannabinoids from High Potency Cannabis sativa using In Vitro Bioassays to Determine Structure-Activity Relationships for Cannabinoid Receptor 1 and Cannabinoid Receptor 2
- Cannabinol and cannabidiol exert opposing effects on rat feeding patterns
- Safety and side effects of cannabidiol, a Cannabis sativa constituent
- 令和6年12月12日に「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」の一部が施行されます


日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師
日本臨床カンナビノイド学会認定登録師
所属学会:日本薬理学会、日本緩和医療薬学会、日本在宅薬学会、日本臨床カンナビノイド学会