CBDコーヒーって何?効果や違法性は?注意点と共に薬剤師が徹底解説

植物成分である「CBD」は、美容や健康に対して効果があると考えられており、日本を含めた世界中から人気を集めています。

ここ数年間で、オイルやサプリメント・リキッドといった豊富な種類のCBD製品が販売されていますが、最近では「CBDコーヒー」と呼ばれる種類の製品が注目を集めています。

今回は薬剤師である私が、そんな「CBDコーヒーとはどんな製品か」ということや、「CBDとコーヒーを組み合わせるメリット・デメリット」などについて詳しく解説したいと思います。

記事の後半では、「CBDコーヒーを摂取する際の注意点」も紹介しているので、是非最後までご覧ください。

この記事でわかること・CBDコーヒーがどういったCBD製品か
・CBDとコーヒーを組み合わせるメリット・デメリット
・CBDコーヒーを摂取する際の注意点

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そもそもCBDコーヒーとは?

CBDコーヒーとは、「CBD」と呼ばれる植物成分を含む健康補助食品のことを指します。

CDBコーヒーには、主に「粉状タイプ」と「豆タイプ」の2種類があり、最近では利用しやすい「スティック状」のものも販売されています。

ここでは、そんなCBDやCBDコーヒーについて簡単に説明します。

CBDとは?

CBD

CBDとは、「カンナビジオール」の略称であり、大麻草に含まれる「カンナビノイド」と呼ばれる植物成分の1つです。

CBDの安全性の高さは、WHO(世界保健機関)にも認められており、日本を含めた多くの国々で合法的に利用することができます。

CBDは過去の研究から、

  • 睡眠の質の向上
  • ストレス緩和
  • 抗炎症作用
  • 集中力アップ
  • 抗菌作用
  • 鎮痛作用
  • 血圧の低下

などの効果があると考えられています。

また、CBDは上記の効果から様々な疾患に対しても治療効果が期待されており、海外では実際に「てんかん」の治療薬としても利用されています。

CBDの効果について詳しく知りたい方はこちら

CBDコーヒーの効果や違法性

CBDコーヒーには、CBDが含まれているため、上記で紹介したような「睡眠の質の向上」や「ストレスの緩和」・「抗炎症作用」といった効果が期待できます。

CBDのこれらの効果は、主にCBDが「CB1」・「CB2」と呼ばれる受容体に作用することで、引き起こされると考えられています。

ただ、CBDコーヒーには「カフェイン」や「ポリフェノール」といった成分が含まれているため、「利尿作用」や「抗疲労作用」・「代謝調整」といった効果も期待することができます。

また、CBDが大麻成分であることから、ごく稀に「CBDコーヒーは違法じゃ?」と不安を感じている方もいますが、CBDには違法性が無いため心配する必要はありません。

最近では、CBDコーヒーを販売しているカフェもあるので、気になった方は是非チェックしてみてください。

CBDとコーヒーを組み合わせるメリット

ここまでの説明から、CBDコーヒーに期待できる効果や違法性についてお分かり頂けたと思います。

では、CBDとコーヒーを組み合わせることには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

ここでは、CBDとコーヒーを組み合わせるメリットを3つ解説するので、是非参考にしてみてください。

CBDによって起こる眠気を緩和できる

眠気を感じている女性

CBDを多量に摂取すると人によっては、「眠気」を感じる場合があります。

CBDによって起こる眠気は、一説ではCBDにより「アデノシン」の働きが促進されることで起こると考えられています。

「アデノシン」とは、睡眠作用がある生理活性物質であり、CBDがアデノシンの細胞への取り込みを阻害することによって働きが促進されます。

コーヒーに含まれる「カフェイン」には、アデノシンの働きを抑制する作用があり、CBDによって起こる眠気を緩和できると言われています。

CBDによって起こる眠気を緩和したいと考えている方は、CBDとコーヒーを一緒に摂取してみてもいいかもしれません。

ECS(エンドカンナビノイドシステム)の機能低下を防ぐ

CBDとコーヒーを組み合わせるメリットとしては、ECS(エンドカンナビノイドシステム)の機能低下を防ぐことも挙げられます。

ECSとは、脳や心臓・腸などの働きを調整するシステムのことで、人体で生成される「内因性カンナビノイド」が作用することで機能するとされています。

「カフェイン」は過去の研究から、この「内因性カンナビノイド」の働きを低下させ、ECSの機能を低下させる可能性があることが分かっています。

実際に、2018年のノースウェスタン大学の研究では、1日に4〜8杯のコーヒーを摂取した被験者は、「内因性カンナビノイド」の働きが低下したことが示唆されています。

CBDは「内因性カンナビノイド」の代わりにECSに作用することができることが分かっており、ECSの機能低下を防ぐことが期待されています。

カフェインによるECSの機能低下を改善したい方は、試しにCBDと一緒にコーヒーを摂取することがおすすめです。

CBDを手軽に摂取できる

CBDを摂取している男性

CBDとコーヒーを組み合わせる3つ目のメリットとしては、CBDを手軽に摂取できることが挙げられます。

まず、CBDを含有したコーヒーはオイルやリキッドなどのCBD製品と違い、摂取する際にスポイトやベイプなどの道具を使用する必要がありません。

そのため、CBDを含有したコーヒーは水筒などに入れておくことで、仕事場や電車の中といった人がいる場所でも人目を気にせず気軽に摂取できます。

次に、CBDを含有したコーヒーはコーヒー特有の苦味や風味があるため、大麻草特有の土っぽい味や風味が苦手な方でも気軽に美味しく摂取できます。

CBDを人目を気にせず摂取したい方や、大麻草特有の土っぽい味や風味を気にせず摂取したい方は、CBDとコーヒーを組み合わせることがおすすめです。

また、カプセルタイプのCBDサプリメントにも同様のメリットがあるため、コーヒーの苦味や風味が苦手な方はカプセルタイプのCBDサプリメントを利用してみましょう。

CBDとコーヒーを組み合わせるデメリット

CBDとコーヒーを組み合わせるメリットには、

  • CBDによって起こる眠気を緩和できる
  • ECS(エンドカンナビノイドシステム)の機能低下を防ぐ
  • CBDを手軽に摂取できる

の3つがありますが、反対にどのようなデメリットがあるのでしょうか?

ここでは、CBDとコーヒーを組み合わせるデメリットを2つご紹介します。

リラックス効果が得られにくくなる

リラックスしている女性

CBDとコーヒーを組み合わせるデメリットとしては、リラックス効果が得られにくくなることが挙げられます。

実は、CBDには「睡眠の質の向上」や「ストレスの緩和」・「抗炎症作用」といった効果の他にも「リラックス効果」があることが知られています。

CBDのリラックス効果は、生理活性物質である「アデノシン」の働きによって起こると考えられています。

上記でも説明したように、カフェインには「アデノシン」の働きを阻害するとされているため、CBDのリラックス効果が得られにくくなります。

ただ、コーヒーの香りにもリラックス感があるため、CBDを含んだコーヒーを飲んだ場合でも、全くリラックスできないというわけではありません。

俗に「チル感」と呼ばれる「CBDのリラックス効果」を目的としてCBDを利用している方は、CBDと一緒にコーヒーを摂取することはやめておきましょう。

CBDを摂取できる量が少なくなる

CBDとコーヒーを組み合わせる2つ目のデメリットとしては、CBDを摂取できる量が少なくなることが挙げられます。

実は、CBDは熱に弱いことが分かっており、コーヒーのような温度の高い液体に入れることで含有量が減少し、効果を感じにくくなると考えられています。

実際にある研究では、CBDを21.7℃以上の溶液に溶かすとCBDが分解され、効果が弱まるという報告があります。

CBDをコーヒーと一緒に摂取する場合は、ホットコーヒーではなくアイスコーヒーを選ぶように心がけましょう。

また、CBDをコーヒーと組み合わせて摂取する際の摂取方法は「経口摂取」ですが、この摂取方法は他の摂取方法に比べてCBDの吸収率が低く、効果を感じにくいとされています。

CBDとコーヒーを組み合わせる場合には、このようなデメリットがあるため、効果を強く感じたい方はCBDオイルやリキッドなど他のCBD製品を利用することがおすすめです。

CBDのカフェインの副作用に対する効果

知っている方も多いかもしれませんが、カフェインを過剰摂取すると、「不安」や「頭痛」・「不眠症」といった副作用が起こる場合があります。

実は、CBDはカフェインによって起こるこれらの副作用に対して効果が期待されています。

ここでは、CBDのカフェインの副作用に対する効果をエビデンスを基に解説したいと思います。

不安を軽減する

不安を感じている男性

カフェインの過剰摂取は、アドレナリンやコルチゾールといったホルモンの分泌を促進させることで、不安感を引き起こすことが分かっています。

不安感を感じるカフェインの摂取量は人によって異なりますが、一説では「コーヒー4杯程度」のカフェインを摂取すると、不安症状を引き起こすのではないかと言われています。

CBDは「抗不安作用」があるとされており、カフェインの過剰摂取によって起こる不安を軽減することが期待できます。

実際に2011年の研究では、600mgのCBDを摂取した被験者は、「不安感」や「不快感」・「認識障害」に大幅な軽減が見られたことが報告されています。

この研究はCBDの不安に対する有用性を示唆しており、カフェインの過剰摂取による不安感にお悩みの方は試しにCBDを利用することがおすすめです。

頭痛を軽減する

カフェインには脳の血管を収縮させる効果がありますが、その効果によって脳の血流を悪くし、頭痛を引き起こす場合があるとされています。

特に、このカフェインによって起こる頭痛はカフェイン中毒の方に多く見られることが分かっています。

CBDには、そういった「頭痛」を緩和する効果が期待されています。

アメリカのアクソン・リリーフ(Axon Relief)という企業では、CBDの頭痛に対する治療効果が調査されました。

この調査では、105人の頭痛に悩む被験者に対して「HIT-6(頭痛が日常生活に与える影響を数値化するテスト)」が利用されました。

その結果、86%の被験者が「頭痛が緩和した」と回答したことに加えて、頭痛を感じた日数が平均で3. 8日減少したことが分かりました。

もし皆さんの中に、カフェインによって起こる頭痛にお悩みの方は、一つの選択肢としてCBDを利用するのもいいかもしれません。

不眠症を改善する

良質な睡眠をとっている女性

カフェインには、交感神経を刺激する作用があり、その作用によって血液中のアドレナリンが増加し、血糖値や脈拍・血圧が上昇することで、不眠症が引き起こされるとされています。

CBDは過去の研究から、不眠症や睡眠障害を緩和することが期待されています。

2019年のアメリカでは、不眠や不安の症状を訴える72人にCBDを処方し、有用性を観察する臨床実験が行われました。

実験の結果、CBDを処方された内の66.7%には不眠症状79.2%には不安症状の改善が見られたことが報告されました。

カフェインによる不眠症にお悩みの方はもちろん、私生活や仕事で感じるストレスから起こる

  • 寝つきが悪い
  • 寝ている途中で目覚めて再び入眠できない
  • 朝早く起きてしまう
  • 熟睡できない

などといった不眠症の症状にお悩みの方も、就寝前にCBD製品(特にCBDサプリメント)を摂取することがおすすめです。

CBDとコーヒーの過剰摂取に注意が必要

副作用を感じている女性

CBDとカフェインを一緒に摂取する際は、それぞれの摂取量に注意することが重要です。

上記でも説明したように、コーヒー(カフェイン)を過剰摂取した場合は、人体に「不安」や「頭痛」・「不眠症」といった副作用を引き起こす可能性があります。

一方、CBDは過剰に摂取してしまうと、「動悸」や「喉の渇き」・「お腹が緩くなる」といった副作用を感じる場合があります。

また、CBDにはカフェインの代謝酵素である「CYP1A2」の働きを阻害する作用があり、一説ではカフェインの効果を強めると考えられています。

実際に、2021年の海外の臨床試験では、CBDが代謝酵素である「CYP1A2」の阻害剤であることが示唆されています。

このことから、CBDの作用によってカフェインの効果が強く出過ぎてしまい、強い副作用を感じる可能性も考えられます。

CBDとカフェインの過剰摂取による副作用が不安な方は、それぞれを少量から摂取するように心がけましょう。

CBDで副作用を感じた場合の対処法を知りたい方はこちら

CBD薬剤師の質問コーナー

CBDは医薬品と併用しても大丈夫?

CBDには、肝臓の酵素の働きを阻害する作用があると言われており、肝臓での医薬品の正常な代謝を妨げるとされています。

正常な代謝がCBDによって妨げられると、通常より、医薬品の副作用や効果が強く現れてしまう可能性があります。

CBDとの併用に注意が必要な医薬品はいくつかありますが、特に以下の医薬品には注意が必要です。

  • 抗凝固薬
  • 抗てんかん薬
  • ステロイド
  • 免疫抑制剤
  • 抗うつ薬、抗精神病薬

CBDはダイエットに効果がある?

結論から言うと、CBDには直接的なダイエット効果はないですが、代謝の向上などによって間接的にダイエットをサポートすることが期待されています。

ただ、CBDと同じ大麻由来の成分である「THCV」には、食欲を抑制する効果が期待されており、直接的なダイエット効果が期待されています。

2009年の研究では、マウスにTHCVを投与し、摂食行動に対する影響を評価する実験が行われました。

その結果、低容量のTHCVはマウスの食欲を低下させ、体重を減少させたことが報告されました。

さらに、THCVを投与されたマウスは、翌日にリバウンドが見られず、通常の摂食行動に戻ったことも明らかになりました

この研究は動物実験レベルですが、THCVが肥満の治療法となる可能性を強く示唆しています。

参考文献

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