皆さんの中に、長時間のスマホの使用やデスクワークなどによって起こる「肩こり」に悩んでいる方はいらっしゃいませんか?
実は、天然成分である「CBD」には、そんな「肩こり」の症状を緩和・改善する効果が期待されています。
今回は薬剤師である私が、「CBDの肩こりに対する効果」や「肩こりから来る症状に対するCBDの効果」を詳しく解説したいと思います。
記事の後半では、「CBDのおすすめの利用方法」もご紹介しているので、気になった方は是非最後までご覧ください。
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日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師
日本臨床カンナビノイド学会認定登録師
所属学会:日本薬理学会、日本緩和医療薬学会、日本在宅薬学会、日本臨床カンナビノイド学会
CBDとは?

CBDとは、「Cannabidiol(カンナビジオール)」の略称であり、大麻草に含まれる「カンナビノイド成分」の1つです。
CBDは大麻に含まれる成分ですが、「危険性」や「依存性」が殆ど無いとされており、日本では大麻と違い合法で使用できます。
2017年には、CBDは安全性が高いことが「WHO(世界保健機関)」にも認められており、規制対象物質として扱うべきではないことが発表されています。
また、CBDは過去の研究から、
- 睡眠の補助
- リラックス効果
- ストレス緩和
- 抗炎症作用
- 抗酸化作用
- 鎮痛作用
- 抗菌作用
- 抗てんかん作用
などの効果が期待されており、海外では様々な疾患に対して利用されています。

そもそも肩こりとは?
肩こりとは、項頸部から僧帽筋エリアの諸筋に生じる「不快感」や「こり感」・「痛み」などの症状の総称です。
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、日本国民の約1,700万人が肩こりの症状に悩まされていることが分かっています。
ここでは、そんな肩こりの症状や原因・治療法について解説したいと思うので、是非チェックしてみましょう。
肩こりの症状

肩こりの症状としては、肩や背から中首のつけ根にかけての「不快感」や「こり感」・「痛み」などが挙げられます。
症状の初期段階では、首から腕のつけ根への肩上部にある「僧帽筋(そうぼうきん)」が緊張し、張り詰めることで肩の動きの違和感や肩甲骨・頸部の重たさ・硬さを感じるようになります。
そして症状がさらに進むと、肩がセメントで固定されているような強い痛みや硬さ・不快感を感じるようになっていきます。
また、肩こりが悪化すると、「頭痛」や「めまい」・「吐き気」・「集中力の低下」・「腕や手のしびれ」といった症状が起こる場合もあります。
肩こりの放置は、このような他の健康問題に繋がる可能性があるため、早期に適切な治療を行うことが重要となります。
肩こりが起こる原因
肩こりが起こる主な原因としては、血行不良や筋肉疲労・末梢神経の傷などがあります。
特に、
- デスクワークで長時間同じ姿勢をとっている
- 冷房の効いた部屋で体が冷えている
- 姿勢が悪い状態で作業を行なっている
といった状態は血行が悪くなったり、筋肉の緊張した状態が続きやすくなるため、肩こりを起こしやすくなります。
また、重い物を持つことによる肩の疲労や加齢なども、末梢神経を傷つけることになり、肩こりを起こしやすくします。
デスクワークなどで長時間同じ姿勢をとることが多い場合は、筋肉の緊張を解いたり、血行をよくするために、定期的にストレッチやウォーキングなどを行うことがおすすめです。
肩こりの治療法

肩こりは症状が軽度な場合は、「肩もみ」や「ストレッチ運動」などのセルフケアによって、ある程度は改善できます。
しかし、肩こりの症状が重度な場合には、主に治療に「マッサージ療法」や「薬物療法」などが用いられます。
マッサージ療法では、こりや痛みを感じる患部にマッサージを行い、筋肉の血流を改善させ、筋緊張を和らげることで症状の緩和・改善を行います。
一方、薬物療法では、湿布やローション・ゲル・スプレーなどの外用薬、筋弛緩薬や鎮痛剤などの飲み薬などが利用されます。
適切な治療には個人差があるため、担当医とよく相談しながら治療を進めることがおすすめです。
CBDは肩こりに効果がある?
結論から言うと、CBDは過去の調査から、「肩こり」に対して有意な効果が期待されています。
「株式会社ウェルファーマ」では、肩こりや首のこりに悩む男女19名を対象にし、CBDの効果が検証されました。
この調査では、対象者はCBDが1%含有されたクリームを5日間患部に塗布し、後日アンケートに答えました。
その結果、対象者の68.4%は「肩こりや首こりがとても軽減した」または「ある程度軽減した」と回答し、31.6%は「肩こりや首こりが多少軽減した」と回答したことが明らかになりました。
さらに、CBDクリームの使用期間中に68.4%の方は「痛みが減ったように感じた」、47.7%の方は「保湿がされたように感じた」と回答したことも報告されています。
最近では、CBDを含んだクリームやバームなどのCBD製品が販売されているので、肩こりにお悩みの方は利用してみてはいかがでしょうか。
CBDが肩こりを解消してくれる理由
上記の説明から、CBDは、肩こりに対して有意な効果が期待されていることがお分かり頂けたと思います。
では、CBDはどういった理由から肩こりを解消してくれているのでしょうか?
ここでは、CBDが肩こりを解消してくれる理由を6つご紹介したいと思いますので、お悩みの方は是非参考にしてみてください。
鎮痛作用

肩こりは肩周りの筋肉の血行が悪くなることで起こりますが、血行が悪くなる過程で痛みを感じる場合があります。
CBDには「鎮痛作用」があるとされており、肩こりによって起こる痛みを軽減することが期待されています。
2022年の論文では、CBDを投与された被験者は、激しい痛みや鋭い痛みが統計的に有意に軽減したことが報告されています。
ちなみに、CBDは神経受容体の1つである「TRVP1」の働きを阻害することで鎮痛作用を起こすと考えられています。
TRVP1受容体とは、痛み刺激を感じる上で重要な役割をもつ受容体のことです。
実際に2020年の研究では、CBDが「TRVP1」の伝達シグナルを生物学的に阻害することが報告されています。
肩こりによって起こる痛みを軽減したいと考えている方は、CBDクリームやバームを患部に塗布してみることをおすすめします。
血行の改善
血圧が高い状態が続くと、血行不良が起こりやすくなり、肩こりが起こる原因になるとも言われています。
CBDは過去の研究から、血圧を低下させる効果があるとされており、血行不良を改善するのではないかと考えられています。
2017年の研究では、健康な男性9人にCBD(600mg)とプラセボ(偽薬)を投与し、血圧変動を観察する実験が行われました。
その結果、被験者は「拡張期血圧」・「平均動脈血圧」・「安静時収縮期血圧」という3種類の血圧が低下したことが報告されました。
さらに、この研究では、CBDが精神的ストレスによって起こる血圧の上昇を有意に低下させたことも示唆されました。
このように、CBDには血圧を低下させる効果が期待されていますが、血行不良を改善し、肩こりを解消するためには生活習慣を見直すことも重要となります。

抗炎症作用

肩こりの中には、睡眠中の「寝違え」によって起こる急性的なものもあり、肩や首に炎症を伴うとされています。
CBDには「抗炎症作用」があるとされており、急性的な肩こりに伴う炎症を改善できるのではないかとも言われています。
ここでは、CBDに抗炎症作用があることを示した研究をご紹介したいと思います。
2017年のカナダの研究では、変形性関節症を患っているマウスにCBDを投与することで、CBDの炎症に対する有用性が評価されました。
変形性関節症とは、関節に「炎症」・「痛み」を伴う疾患の1つで、高齢者や肥満の方に多くみられると言われています。
その結果、CBDを投与されたマウスは、関節の「炎症」・「痛み」が抑制され、神経の損傷が軽減されたことが報告されました。
また、抗炎症作用はCBD製品によく含まれている「α-ピネン」や「α-フムレン」・「α-フムレン」・「β-ミルセン」といったテルペンにも期待されています。
急性的な肩こりに伴う炎症を改善したい方は、これらの成分が含まれているCBD製品を利用してみることがおすすめです。
睡眠の質の向上
肩こりの原因となる「筋肉疲労」の回復を早めるには、質の良い睡眠を十分にとることが重要となります。
CBDは過去の研究から、睡眠の質を改善すること、質の高い睡眠を促す効果も期待されています。
2022年の研究では、被験者に「5%のCBDオイル」と「プラセボ(偽薬)」を投与することで、CBDの睡眠の質に対する効果が評価されました。
その結果、CBDオイルを投与された被験者は、深い睡眠の割合を増加させ、睡眠の質が向上したことが報告されています。
また、他のラットを利用した研究では、CBDがレム睡眠(眠りの浅い睡眠)を減少させたことも示唆されています。
睡眠の質を向上させることで、肩こりの原因となる「筋肉疲労」の回復を早めたい方は、就寝前に効果時間の長い「CBDカプセル」を摂取してみましょう。
ストレスの緩和

最近では、物理的なストレスだけでなく、「心因性のストレス」が原因となって引き起こされる「肩こり」が増えてきています。
原因の特定ができないような「筋肉疲労」による酷い肩こりには、「心因性のストレス」が関係していることも疑ってみましょう。
CBDは過去の研究から、肩こりの原因となる「ストレス」を緩和させる効果が期待されています。
実際に、2011年の研究でも、CBDを摂取した被験者には、「ストレスレベル」の低下が見られたことが報告されています。
また、ストレスの緩和を目的としてCBDを利用したい場合は、1回で0.5mg/kg(体重が60kgの方なら30mg)を1日に2回摂取することがおすすめです。
ストレス緩和の方法として、趣味や運動を行うことも効果的ですが、CBDを利用してもいいかもしれません。
CBDは肩こりから来る症状にも効果がある
上記でも説明したように、肩こりが悪化すると、「頭痛」や「吐き気」といった症状が起こる場合があります。
実は、CBDは肩こりから来る症状である「頭痛」や「吐き気」にも効果があると言われています。
ここでは、肩こりから来る症状に対するCBDの効果を2つご紹介したいと思います。
CBDの頭痛に対する効果

CBDは過去の調査結果から、「頭痛」に対する効果が期待されています。
アメリカの「アクソン・リリーフ社」では、頭痛持ちの参加者105名を対象にCBDの「頭痛」に対する有用性が調査されました。
調査の結果、86%の参加者が「頭痛が緩和した」と回答したことに加え、頭痛を感じた日数が平均3. 8日間減少したことが報告されました。
この調査は臨床試験レベルではないですが、CBDの頭痛に対する有用性を示唆しており、今後のさらなる研究に期待が高まります。
また、CBDは一般の鎮痛剤と異なり、「アスピリン喘息」や「胃腸障害」などの副作用がないことも分かっています。
肩こりによって起こる頭痛にお悩みの方や、鎮痛剤による副作用に悩んでいるといった方はCBDを利用してみることがおすすめです。
CBDの吐き気に対する効果
CBDには「吐き気」を抑制する効果が期待されています。
実際に2011年の研究では、CBD(5 mg/kg)を投与したラットは、「吐き気」が緩和されたことが報告されました。
このCBDの制吐作用は、CBDがセロトニン受容体である「5-HT3受容体」に作用することで起こると考えられています。
肩こりによって起こる「吐き気」を抑制したいと考えている方は、CBD製品を利用してもいいかもしれません。
ちなみに、吐き気を抑制する効果は、CBD以外の大麻由来成分である「CBDA」にも期待されています。
CBDの肩こりに対するおすすめの摂取方法

ここまでの説明から、CBDの肩こりに対する効果がお分かり頂けたと思いますが、実際にどういった摂取方法で利用するのがいいのでしょうか?
結論から言うと、CBDに期待する効果によって摂取方法を変更することがおすすめとなります。
肩こりによって起こる「痛み」や「炎症」に対してCBDを利用する場合は、CBDクリームやバームなどを用いる「経皮摂取」がおすすめです。
経皮摂取は他の摂取方法と違い、CBDが患部に直接作用するため、効果的にCBDの効果を期待することができます。
ただ、経皮摂取は全身に対して効果を発揮できないため、「血行の改善」や「睡眠の質の向上」・「ストレスの緩和」・「頭痛・吐き気の緩和」といった効果を得ることはできません。
そのため、これらの効果を得たい場合は、他の摂取方法である「吸引摂取」や「舌下摂取」・「経口摂取」を利用することが重要です。
個人的には、手軽に摂取しやすい「CBDサプリメント(経口摂取)」を利用することがおすすめなので、是非チェックしてみてください。
CBD薬剤師の質問コーナー
CBDの効果の持続時間は?
CBDの「効果の持続時間」は摂取方法ごとに異なることがわかっており、CBDを利用したい方は以下を目安にご参照ください。
- 舌下摂取(オイル) :6時間前後
- 吸引摂取(ベイプ) :2〜3時間前後
- 経皮摂取(クリーム):4〜6時間前後
- 経口摂取(カプセルやグミなど):6〜10時間前後
CBDを過剰摂取するとどうなる?
CBDを過剰に摂取すると「眠気」・「喉の乾き」といった副作用が起こる可能性があります。
また、CBDを過剰に摂取した場合は、CBDの効果が段々と弱くなる可能性もあります。
このCBDの効果が段々と弱くなる現象は「釣鐘効果」と呼ばれています。
「釣鐘効果」の対処法としては、CBDを少量から摂取し、自身に合った摂取量を理解しておくことが重要です。

参考文献
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